著者
和田 和行
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.87-96, 2008

写実主義の絵画やノンフィクション文学等の芸術作品は、記号とみなすことができる、という考えに問題はないだろう。これらは何らかの実在するものを表しており、したがってそれらの記号となっている。しかし、通常、実在するものを表してはいないと考えられている、抽象絵画や音楽等のいわゆる抽象芸術、あるいは文学でもいわゆるフィクション等は、何らかの意味を有するのであろうか。これらを含めて、すべての芸術作品を記号とみなすことが可能であろうか。モリスは、芸術作品はすべて記号とみなすことが可能であると主張している。さらに、彼はすべての科学を体系化し、それらを統一しようとする"統一科学"の一部として、美学を記号論としてとらえるという構想も述べている。筆者もこのようなモリスの主張と構想を支持するが、しかし、彼の理論は時代的制約もあり、必ずしも完全なものとはいえないと思われる。特に、彼の理論では、意味についての分析が不十分と考えられる。現代の英米系の記号論では、フレーゲやカルナップのように、意味を内包と外延の2つに分けて考える立場がある。そして、これらはライプニッツによって始められ、カルナップやクリプキによって発展させられた可能世界意味論において、可能世界という概念を用いて分析される。この論文では、このような現代の英米系の記号論の枠組にしたがって、モリスの考えの不十分な点を補い、彼の説の正当化を行おうと思う。
著者
和田 和行
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.111-115, 1989-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
5

この論文においては, 公理的性質論PTC或はPTCEに対する可能性世界モデル及びブール値モデルを, 公理的集合論ZFCにおいて構成する。そして, それによって上記の体系のZFCに対する相対的無矛盾性や公理の独立性を証明する。これらの体系は, いわば様相論理S5とZFCを組み合わせた体系であるが, ZFCが集合を対象とするのに対して, 内包的な性質を対象とする。これらの体系においては, 事態, 完全個体概念, 可能的世界等の内包的対象についての理論を展開することができる 。
著者
和田 和行
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.17-22, 1988-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
3

[1] においては, 公理的性質論PTCE (以下PTと略記する) において, 事態や完全個体概念に関する理論が構成された。この論文では, このような理論の続きとして, モナド, 可能的世界等に関する理論を構成する。これらの理論は, 完全個体概念のそれと同様, 主としてライプニッツの考えに基づいており, 彼の形而上学の再構成とみなしうるものである。
著者
和田 和行
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.123-128, 1987-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
9

様相論理学, 或は哲学においては, 事態 (proposition), 個体概念 (individual concept), 可能的世界 (possible world) というような概念が問題とされる。通常の公理体系, 或はモデル理論においては, これらの概念, 特に事態や可能的世界は, 基本的 (primitive) なものとして扱われる。しかしこのような方法をとらずに, 他の概念を基本的なものと考え, それらに基づいて上記の概念に関する理論を構成すること, つまり, これらの概念を定義し, それから導かれる定理をのべることも, これらの概念の解明に役立つと思われる。そこでこの論文においては, 以下に述べる (公理的) 性質論PTCEにおいて, 性質, 必然性等の様相的概念を基本的なものとして, 事態, 完全個体概念についての理論を構成する。 (可能的世界に関しては, 別の論文に譲る。) なお, この論文における完全個体概念の定義は, 可能的世界のそれと同様, ライプニッツの考えに基づいている。従ってこれらに関する理論は, ライプニッツ哲学の再構成と見なすこともできるだろう。

1 0 0 0 OA 様相集合論Z5

著者
和田 和行
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.39-45, 1983-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
6