著者
森 貴弘 國方 弘子 多田 達史 和田 晋一
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-41, 2020-06-30 (Released:2020-06-30)
参考文献数
22

本研究の目的は,新人看護師に対して自己効力感向上集団CBT介入を行うことで,介入前後の自己効力感,レジリエンス,認知とストレス反応に変化があるかを検証することである.新人看護師9名を対象に,全4回で構成する介入プログラムを実施した.実施前,実施直後,実施1ヶ月後に,一般性セルフ・エフィカシー尺度,看護師レジリエンス尺度,推論の誤り尺度を用いて自記式質問紙で測定した.プログラム毎回の実施前後に唾液アミラーゼを測定した.統計解析は一元配置線形混合モデルを用い効果量を算出した.結果,新人看護師を対象にした自己効力感向上集団CBT介入は,「行動の積極性」「能力の社会的位置づけ」の自己効力感ならびにレジリエンスを向上させる可能性があると示唆された.また,集団で行うCBT介入は,聴き手に負担がかかる可能性があることから,リラックス効果を得るために,セッション終了後にアイスブレイクを設ける必要性が示唆された.
著者
和田 晋一 津崎 光司 杉山 華子 菊井 祥二 竹島 多賀夫 濱野 利明
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.482-485, 2021 (Released:2021-07-30)
参考文献数
17

症例は41歳男性,35歳時より月1回の頻度で前兆のない片頭痛を経験していた.2020年10月某日に突然同僚の名前を想起できなくなり,その後徐々に側頭部痛と悪心を自覚し当院受診となった.来院時,左側頭部の拍動性頭痛と人の名前を想起できない症状に加えて,失算,左右失認を認めた.発症3時間後の脳MRIではsusceptibility-weighted imaging(SWI)で左大脳半球に皮質静脈の拡張を認めた.発症42時間後までに頭痛を含めた神経症状は経時的に改善し,SWIで皮質静脈の拡張は改善した.本症例ではSWI所見の推移から,前兆のある片頭痛の初発発作が示唆された.