著者
四方 由美
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.8_74-8_79, 2017-08-01 (Released:2017-12-09)
参考文献数
14
著者
四方 由美 中野 玲子
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.129-148, 2006

本論文は、映像メディアで伝えられる従軍慰安婦問題をめぐる言説が視聴者にどのように伝わるかについて、視聴調査のデータに基づき分析を行なったものである。戦後60年を経た現在においても、従軍慰安婦問題は様々な歴史認識が交錯する問題の一つであり、「従軍慰安婦」をめぐっては、いくつかの言説が存在している。本論文では、それらを整理した上で、2001年に「従軍慰安婦」問題を扱ったNHKの番組が、どのような言説の政治の下で改編され問題となったのかを明らかにするとともに、この番組は視聴者の「従軍慰安婦」問題の認識にどのような影響を与えたかについて、番組視聴調査の結果から考察を行なった。
著者
四方 由美 Yumi SHIKATA
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.17-27, 2012-03-02

本稿は、「宮崎における女性史資料保存に関する研究」(平成20年度~平成22年度 宮崎学術振興財団地域貢献研究:研究代表者 四方由美)において作成した「宮崎地域女性史文献目録」及び「宮崎における女性の活動年表」を、地域女性史研究に位置付けることを目的とする。 研究の視座と目的を明確にするために、先行研究からフェミニズムと女性史、ジェンダー史の概況について整理を行い、さらに地域女性史の可能性について考察を行った上で、「宮崎地域女性史文献目録」及び「宮崎における女性の活動年表」を地域女性史研究に位置付けた。 また、これらの成果を宮崎における地域女性史の資料としてどのように活用することができるかを示した。地域女性史をみることは、空間的にも時間的にも点在する宮崎の女性たちの活動を線として繋げて力あるものとして再構築し、地域の問題にアプローチする契機につながる。
著者
四方 由美
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.63-73, 2010-03-05

本稿は、「宮崎における女性史資料保存の研究」として、宮崎における地域女性史の可能性を探ろうとするものである。研究の背景として、歴史学において常に客体であった女性が、歴史の主体として認識されるようになった経緯を述べた上で、歴史学が地域史を焦点化する過程、地域の女性たちが自ら語り・記述・保存する地域女性史について整理する。さらに、地域女性史の成果を地域別に比較し、成果が多くある地域の特徴を導き出すことにより、宮崎における地域女性史による女性史資料保存の可能性について探る。本稿では、女性史サークルの存在が果たす役割に着目し、愛媛県の2つの女性史サークルへの調査結果の考察をおこなった。また、宮崎において活動をはじめた女性史サークルの取り組みについても紹介する。
著者
四方 由美
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.89-102, 2003-03-20

メディア表現について異議を唱える際,その根拠に中立性に基づく客観的基準が求められ,「不快かどうか」を批判の根拠とすることは主観的であるとされる。「ジェンダーとメディア」研究では,ジェンダー概念が客観的で中立性をを持つものとして「ジェンダー」という語を用いることで,メディア批判に正当性を持たせてきたが,それはマイノリティにとっての「表現の自由」を「促進」しないばかりか,客観性を重んじる近代主義的行為であり差別の解消を志向するという意味からは欺瞞であるともいえる。本稿は,日本における「ジェンダーとメディア」研究の展開を概観しながら,ジェンダー概念を用いてメディア批判をすることについて検討し,「ジェンダー中立」の意味をとらえ返し,表現の自由は誰のためのものなのか,「快/不快」でメディア表現を語ることについてポスト構造主義の視角からその可能性を示したものである。
著者
四方 由美 Yumi SHIKATA
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.61-69, 2004-03-20

現在、日本では男女共同参画をめぐってバックラッシュが起こっている。保守派の主張する争点は、①「らしさ」のしばりから自由を求める男女共同参画の動きは、あるべき「らしさ」を否定し、日本の文化や男女関係を破壊するのではないか、②「専業主婦」否定の動きではないか、③家族の絆を破壊するのではないかなどである。このようなバックラッシュが起こる背景には、フェミニズムに対するバックラッシュの高まりに加えて、男女共同参画の政策化にともなう反発があると考えられる。 また、バックラッシュは保守派によるものだけではない。男女共同参画を推進する立場にある立法・行政サイドにおいて、男女共同参画社会基本法に盛り込まれた「ジェンダー概念に基づく男女平等」の理念に対する理解が進まないため、この理念が運用面で排除される傾向がみられる。こうした動きは男女共同参画社会の推進を阻むだけでなく、新たな差別を生む事態に陥っている。男女共同参画についての政策そのものが矛盾を孕んでいることは、その大きな要因の一つである。 本稿では、このような観点から今日のバックラッシュ現象を考察することを通して、男女共同参画をめぐる議論を整理する。
著者
四方 由美 福田 朋実 Yumi SHIKATA Tomomi FUKUDA
出版者
宮崎公立大学人文学部
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.33-49, 2016

本稿は、2015年12月28日に行われた「日韓外相会談」に関する新聞報道(2015年12月24日から2016年1月23日の朝日新聞および読売新聞)の分析から、「慰安婦問題」に関する新聞の議題設定の状況を明らかにすることを試みたものである。分析の結果、「日韓外相会談」に関する新聞報道は、この会談が慰安婦問題を「解決」に向かわせる出来事として伝えたこと、慰安婦問題は韓国、米国、北朝鮮など他国との関係においても言及されることなど、いくつかの傾向を導出した。
著者
四方 由美 大谷 奈緒子 北出 真紀恵 小川 祐喜子 福田 朋実 Yumi SHIKATA Naoko OTANI Makie KITADE Yukiko OGAWA Tomomi FUKUDA 宮崎公立大学人文学部 東洋大学 東海学園大学 東洋大学 宮崎公立大学 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Toyo University Tokaigakuen University Toyo University Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.79-92, 2019-03-08

本稿は、宮崎公立大学人文学部紀要第25巻第1号に掲載の「犯罪報道の共起ネットワーク分析(1)」(以下、前稿)に続き、犯罪報道分析を行い、その結果をジェンダーの視点から考察したものである。週刊誌報道を対象にKHコーダーを用いて頻出語句を抽出した上で、共起ネットワーク分析を行い、事件報道において何がどのように関連付けて伝えられているのか、数量的かつ体系的にとらえることを試みた。犯罪事件の報道において女性被害者、およびその関係者の伝えられ方について特徴を導出することができた。
著者
四方 由美 大谷 奈緒子 北出 真紀恵 小川 祐喜子 福田 朋実 Yumi SHKATA Naoko OTANI Makie KITADE Yukiko OGAWA Tomomi FUKUDA 宮崎公立大学人文学部 東洋大学 東海学園大学 東洋大学 宮崎公立大学 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities Toyo University Tokai Gakuen University Toyo University Miyazaki Municipal University
出版者
宮崎公立大学人文学部
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.63-80, 2017

本稿は、女性が被疑者・被害者とされる事件の報道を分析し、ジェンダーの視点から犯罪報道を考察したものである。新聞報道を対象にKH コーダーを用いて頻出語句を抽出した上で、共起ネットワーク分析を行い、事件報道において何がどのように関連付けて伝えられているのか、数量的かつ体系的にとらえることを試みた。その結果、犯罪事件の新聞報道における女性被疑者、および女性被害者の伝えられ方について、いくつかの特徴をみることができた。
著者
四方 由美 中野 玲子 Yumi SHIKATA Reiko NAKANO
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.129-148, 2007-03-20

本論文は、映像メディアで伝えられる従軍慰安婦問題をめぐる言説が視聴者にどのように伝わるかについて、視聴調査のデータに基づき分析を行なったものである。戦後60年を経た現在においても、従軍慰安婦問題は様々な歴史認識が交錯する問題の一つであり、「従軍慰安婦」をめぐっては、いくつかの言説が存在している。本論文では、それらを整理した上で、2001年に「従軍慰安婦」問題を扱ったNHKの番組が、どのような言説の政治の下で改編され問題となったのかを明らかにするとともに、この番組は視聴者の「従軍慰安婦」問題の認識にどのような影響を与えたかについて、番組視聴調査の結果から考察を行なった。
著者
四方 由美
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.115-132, 2008-03-07

本論文は、新聞の犯罪報道において女性の伝えられ方が変化したかを比較、分析し、報道の影響はどのようなものであるか考察を行った。女性が被害者の事件として「女子高生コンクリート詰め殺人事件」(1989年)と「岐阜中2女子殺害事件(2006年)、女性が被疑者の事件として「巣鴨子ども置き去り事件」(1988年)と「秋田連続児童殺害事件」(2006年)を取り上げ、約20年前と現在の報道を比較した。 その結果、女性被害者・女性被疑者どちらの場合も、ジェンダー規範に基づくネガティブな側面が強調されて伝えられており、その傾向に変化はないという知見を得た。女性被害者は、落ち度や異性関係を問われるなどセクシュアリティの側面、女性被疑者は、家事や育児の放棄などを例に母性の側面が特に強調されている。 一方、20年前の報道とは異なる傾向もみられた。2006年の2つの事件の報道にみられる特徴として、ブログ(日記風サイト)からの情報の報道、事件の背景を周囲の社会環境に求める報道などである。被害者のブログによる日記の報道は、なかでもセクシュアリティに関する内容が強調され、従来以上に被害者のプライバシーが侵害されているといえる。事件の背景を、少子化、共働き世帯の増加、児童虐待の問題など周囲の環境や社会問題と関連付ける報道は、従来のジェンダー規範を守らないことが犯罪につながるという認識を伝えるだけでなく、それを守らなかった者を責めることにより、ジェンダー規範を強化する働きがあるといえる。 こうしたメディア報道は、報道される当事者に対して報道被害をもたらすだけでなく、広く読み手にジェンダー規範を伝える効果を持つといえる。