著者
国友 直人
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.2-16, 2013-04-01 (Released:2022-03-25)
参考文献数
12

2011.3.11 に発生した東日本大震災では災害の発生後に応急仮設住宅の建設問題がマスメディアなどで大きく取りあげられた.住宅供給サイドからの仮設住宅建設の経緯を振り返るとともに,将来に起きるかもしれない大災害への教訓と大災害に備えた住宅政策のあり方に関する提言をまとめた.また統計的極値論を利用した大規模災害のリスク評価及び大規模な災害への対応上への応用可能性も議論した.
著者
山本 拓 佃 良彦 和合 肇 斯波 恒正 森棟 公夫 国友 直人
出版者
筑波大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

研究成果を便宜上、理論的分析、実証分析、に大きく分類しよう。計量理論についての研究としては程島氏の一連の論文をまず挙げることができよう。同氏は構造変化が存在する場合における計量経済モデルの推測理論を研究し構造変化が存在する場合、制限情報にもとづく新しい最尤推定法を提案している。計量経済モデルの推定・検定・予測問題については森棟・佃両氏が漸近理論の立場から考察を加えている。森棟・佃・和合の各氏は構造変化が存在する場合の計量経済モデルの推測理論を現在研究を継続中である。さて構造変化の定式化としてはさまざまん考え方がありうる。例えば経済主体の期待形成について考えると、いわば連続的に構造変化が起こっていると捉えることが可能である。こうした立場から計量経済分析における予想形成と経済構造との問題については国友氏の一連の論文が考察を加えている。実証分析の中では特に斯波氏は日本の貨幣需要関数について詳細な検討を加えている。林氏は主として日本における消費関数・投資関数を中心として、その安定性を考慮している。また日本経済の外国との関係の分析に目を転ずれば、竹内・山本論文は日本における外国為替市場の効率性について詳しく検討を行っている。この論文では多変量時系列モデルを用いているために比較的、構造変化の存在に対して頑健(Robust)な検定方法と結論している。以上、極めて簡単であるが、本プロジェクトの研究成果は理論面及び実証面の多岐にわたっているがいずれも本プロジェクトにおける連絡・討論やコンファレンスから発展し、深化したものが少なくない。加えて、内外の専門家とのコンファレンスと通じた交流は意義深いと云うことができよう。こうした意味で、本プロジェクトが当初意図していた計画は相当部分において達成されたと云ってもあながち過言ではないであろう