著者
衛藤 由佳 丹保 亜希仁 国沢 卓之
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.176-182, 2018-03-15 (Released:2018-04-07)

麻酔科医にとって抜管は毎日行う手技であるが,その方法は統一されておらず,抜管について詳細に述べた教科書や日本のガイドラインも存在しない.麻酔科標榜許可を得るまでは専門医とともに抜管するが,それ以後は一人で麻酔をする機会も増え,上級医に相談することも減ってくる.疑問をもったまま,あるいは疑問ももたずになんとなく抜管に臨んでいる後期研修医もいると考えられ,全国の後期研修医を対象に抜管について困っていること等についてWebアンケートをとった.本稿ではそのアンケート結果を踏まえ,若手麻酔科医が知りたい抜管についてのなぜを考察する.
著者
大友 重明 国沢 卓之 笹川 智貴
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.702-707, 2009-09-15 (Released:2009-10-30)
参考文献数
10

術中・術後における下肢の鎮痛に関しては, 従来硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔が主体であった. しかし近年, 整形外科領域では, 肺血栓塞栓症発生予防のために, 周術期に抗凝固療法が併用される症例が増えており, 硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔の代替手段として下肢末梢神経ブロックを利用する機会が増えている. また, 下肢末梢神経ブロックを利用することで, 持続硬膜外鎮痛法における硬膜外膿瘍の危険を避けることができ, 高齢者や心・血管系に合併症をもつハイリスク患者に対しても大きな循環変動をきたすことなく安全に鎮痛が可能である. 整形外科領域におけるロピバカインを使用した末梢神経ブロックについて臨床的に概説する.
著者
川口 昌彦 国沢 卓之 岡本 浩嗣 野村 実
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.684-690, 2019

<p>日本心臓血管麻酔学会が目指すサブスペシャルティは,理念に掲げたとおり,「心臓血管麻酔専門医制度は,麻酔科専門医のサブスペシャルティとして,心臓血管麻酔に関する十分な専門知識と技能を有し,より安全で質の高い心臓血管麻酔の提供と教育的,指導的な役割を果たせる専門医を育成し,国民の健康・福祉の増進に貢献することを目的とする.」である.学会独自の教育と専門医制度を設立・運用してきているが,今後は,日本麻酔科学会の承認を得られた後,日本専門医機構の認定を得られることを目標として,機構の示す要件を一つずつ検討し,必要のあるものは改善を開始している.最終的に患者,メディカルスタッフ,会員の皆様に恩恵をもたらせるよう,活動を進めていく予定である.</p>