著者
中島 久美子 伊藤 玲子 國清 恭子 荒井 洋子 阪本 忍 篠崎 博光 常盤 洋子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.327-340, 2011

<B>【目 的】</B> 妊娠期にある共働き夫婦を対象に, 妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識を明らかにし, 妻が満足と感じる夫の関わりを高める看護援助への示唆を得る. <B>【対象と方法】</B> 共働き夫婦3組を対象に, 妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識ついて半構成的面接法によりデータを収集し, 分析はベレルソンの内容分析法を参考に行った. <B>【結 果】</B> 共働き夫婦において妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識は, 【妊娠の知らせに対する喜び】【仕事の継続への理解と話し合い】【仕事や妊娠・出産に伴う心身への気づかい】【家事の分担】【親になるための準備】の5カテゴリーが抽出され, 共働き夫婦の認識の共通性および差異が明らかとなった. <B>【結 語】</B> 共働き夫婦が認識する妊娠期の妻が満足と感じる夫の関わりにおいて, 5カテゴリーが抽出され, 共働き夫婦の認識の共通性および差異が明らかとなった. 妻が満足と感じる夫の関わりを高める看護援助として, 夫婦の間で気持ちの共有と夫婦の協働的な作業や良好なコミュニケーションが強化されるように夫婦に働きかけることが重要であると示唆された.
著者
國清 恭子 水野 治久 渡辺 尚 常盤 洋子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.303-312, 2006 (Released:2006-12-26)
参考文献数
23

【目 的】 中絶を受ける女性の援助不安の実態を明らかにし, 中絶を受ける女性の心のケアのあり方を検討する資料を得ることを目的として調査を行った. 【対象と方法】 調査期間は平成15年9月~平成16年1月. 15施設において中絶を受ける女性に無記名式自記式質問紙調査を実施し, 中絶前後で同一対象者によって回答が得られた100例を分析対象とした. 調査内容は, 援助不安, 被援助志向性, もらったソーシャルサポート, 自尊感情であった. 【結 果】 医師, 看護師への呼応性, 汚名への心配が強い場合, もらったソーシャルサポートの量が少ないことが明らかになった. また, 「呼応性への心配」, 「汚名への心配」, 「被援助志向性」がもらったソーシャルサポートを規定する要因として抽出された. 【結 論】 中絶を受ける女性が医師や看護師からのサポートを受け易い状況を作り出すためには, 呼応性および汚名への心配の軽減を図るとともに, 被援助志向性を高めることが必要である.
著者
常盤 洋子 國清 恭子
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.295-302, 2006 (Released:2006-12-26)
参考文献数
54

【目 的】 文献研究により, 出産体験の自己評価に関する研究の現状と課題を明らかにし, 出産体験の自己評価に関する研究に有効な変数を得ることを目的とする. 【研究方法】 1960年~2001年までの論文を対象に, "childbirth experience", "self evaluation", "scale" をキーワードにして, CINAHL, MedLine, 医学中央雑誌を中心に検索した. 【結 果】 131論文が検出され, 出産体験の自己評価について記述がなされ, 学術論文の形式が整っている47論文を選んで概観した. 出産体験の臨床的意義が明らかにされ, 出産体験の自己評価のアセスメントに有効な産科的, 心理・社会的変数が抽出された. 【結 論】 今後の研究の課題と方向性について, 以下, 3つの視点を明らかにした. (1)分娩経過の正常・異常による出産体験のとらえ方の相違を比較できる大きいサンプルによる調査の必要性, (2)出産体験の自己評価と産後の心理的健康 (例えば, 産後うつ傾向, 自尊感情) との関連についての実証的研究の必要性, (3)出産体験の再構築と意味づけに関する実践的研究の必要性が示唆された.