著者
半沢 昌彦 斎藤 純 横山 幸男 土屋 正彦
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.123-129, 1990-02-05
被引用文献数
1

液体イオン化(II)質量分析法による魚体試料中の2,2', 4'-トリメチル-4-メトキシジフェニルアミン(TMMD)の簡易定量法について検討した.魚体への添加濃度に応じ2種類の簡単な前処理法(1段抽出法, 2段抽出法)により調製した魚体試料をLI法で測定したところ分析成分のプロトン化分子(MH^+)及び魚体成分由来のピークが観測された.LI法では分析成分がプロトン化分子として検出されるので質量分析法の特長である質量分離が成分分離となり, 更に生成イオンの脱離温度の差による分離も利用できるので, 魚体成分をある程度含有したままでの分析が可能である.検討の結果, 従来法よりも簡便な前処理で魚体中濃度が0.3μg/g程度のTMMDが定量可能となり, 化学物質安全性試験のための定量法としてのLI法の有用性が示唆された.
著者
土屋 正彦 栗田 繕彰 深谷 晴彦 大河内 正一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1087-1093, 2013-12-05 (Released:2013-12-28)
参考文献数
24

水は種々の特異性をもつことが知られており,液体中にもクラスターが存在することが推定されているが,その大きさやサイズ分布は確認されていない.液体イオン化質量分析法は液体表面及び気相中のクラスターを区別して測定できるので,室温(23~25℃),大気圧下での水のクラスター(H2O)nの測定,解析を行った.液体表面には,水の分子数nが30前後までのクラスターが連続的に存在し,その水分子数の平均値(N)は15~17であった.気相中にもクラスターが存在するが,液体表面よりは小さくなり,液面から遠ざかるほどクラスターは分解して小さくなる.これはArガスが逆方向に流れているので,単位空間中の水の絶対量が減るためである.試料流量を増加すると,イオン量は若干減るが相対的に大きなクラスターが少し増える.また,第2質量分析計(Q3)でさらに大きなクラスター(N=27)が観測された.クラスターは水素結合により生成するので,大気圧下では水はクラスターとして蒸発し,水量が多くなれば湯気や霧のような水分子の集合体になり,減れば分解すると考えられる.このクラスターの存在が水の特異性の主な原因の一つといえよう.
著者
土屋 正彦 堀井 雄二
出版者
The Mass Spectrometry Society of Japan
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.79-85, 1974
被引用文献数
4

Mass spectra of excess-kinetic-energy ions(KE ions)formed under electron impact have been studied by using a commercial mass spectrometer with the modified ion source. Parent ions of KE ions may be so much excited than those of thermal-energy ions that they may decompose more quickly and give much simple cleavage ions and less rearrangement ions. Therefore the mass spectrum of KE ions must be different from the ordinary mass spectrum. Several compounds of alcohols and ethers have been studied. Simple relations have been found between the mass spectra of KE ions and the structure of these compounds. Generally, fragment ions which are smaller than a half of a molecule can be observed as KE ions and the terminal groups of a compound, such as CH3CO, -CH2OH, HCO-, C2H5-and so on, give the intense peaks. It has been proved that the mass spectra of KE ions show less rearrangement and are useful for the structure determination of organic compounds