著者
奥山 拓矢 土屋 達弘 菊野 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.337, pp.7-12, 2005-10-10

ゴシップアルゴリズムは, P2Pオーバーレイネットワークで用いられる, 高信頼性, 且つスケーラブルなブロードキャスト手法である.本研究では, P2Pオーバーレイネットワークの代表的なトポロジーとして, スケールフリーネットワークに着目し, そのネットワークトポロジーでの, ゴシップの耐故障性を向上を目的とする.先ず, 各ノードがその周囲のノードのメッセージ伝搬状況を推測し, 状況が悪い場合にメッセージの再送を行う手法を提案する.さらに, スケールフリーネットワークで優れた通信コスト効率が確認されている決定性ゴシッププロトコルと, 提案手法を組み合わせる事でコスト効率と耐故障性の両面に優れたプロトコルを提案する.スケールフリーネットワークのモデルを用いて, 提案するプロトコルと従来プロトコルの比較実験を行い, その結果を示す.
著者
東 和幸 高橋 仁 中川 博之 土屋 達弘
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.4_25-4_31, 2019-10-25 (Released:2019-12-25)

近年では,開発環境の変化に伴って開発者が大量の自然言語文書を扱う機会が増えており,文書をトピック分類するためのトピックモデルであるLDAが注目されている.文書のトピック分類を行う際,分類の精度をあげるために前処理として,分類の妨げとなる単語をストップワードとして除去することが重要であるが,通常のストップワードリストでは対象文書にのみ頻出する単語に対応できないという問題があった.また,1トピックに集約されるべき文書が複数トピックに分散してしまう問題があった.本稿では,これらの問題を解消するため,LDA適用の前後に対象文書からのストップワード抽出と類似トピック統合の2種類の処理を追加する.前処理では,Document Frequencyと単語の類似度を用いて,対象文書からストップワードリストを作成する.また,後処理では分類されたトピックについて構成する単語の類似度からそれぞれのトピック間距離を算出し類似トピックを統合する.LDAを用いたメーリングリストの分類に本手法を適用し,既存手法と比較することで,トピック分類の精度が向上することを確認した.
著者
小西 達也 小島 英春 中川 博之 土屋 達弘
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:21888566)
巻号頁・発行日
vol.2017-AL-165, no.28, pp.1-6, 2017-11-09

本論文では,ソフトウェアテストの 1 つ,組み合わせテストについて議論する.具体的には,組み合わせテストで使用するテストケース集合の1つ, ロケーティングアレイに焦点を当てる.ロケーティングアレイは,与えられたパラメータ値の組み合わせをすべて網羅しているだけでなく,実行結果から不具合の原因となる組み合わせを特定することができる.ロケーティングアレイの生成手法に関する研究はまだ少なく, また,多くの場合について構成に必要な最小のテストケース数がわかっていない.そこで,SAT ソルバを使用したロケーティングアレイの生成手法を提案する. また,実際にロケーティングアレイを求め,得られた最小のテストケース数についても報告する.
著者
土屋 達弘
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.80-85, 2016-03-01 (Released:2018-01-31)

テストはソフトウェアシステムの安全性を確立するために必須の手段である.本稿では,まず,ソフトウェアテストに関連する基本的な用語について簡単に説明する.次に,カバレッジというテストの設計,実行,評価の上で基盤となる概念について触れ,安全規格で言及されることの多いコードカバレッジについて例を用いて説明する.次に,テストケースの生成に関して自動化とモデルベーステストという重要な分野を取り上げ,これらの分野におけるセーフティクリティカルなシステムへの技術の適用事例を紹介する.最後に,テストオラクルについて取り上げる.テストではソフトウェアの動作が期待したものか否かを判定することが必要であり,テストオラクルとはこの判定を行う機構を意味する.安全性をシステム稼働時に実現するフォールトトレランス技術と,テストオラクルの設計方法との興味深い関連性についても紹介する.
著者
土屋 達弘
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1_19-1_29, 2012-01-26 (Released:2012-03-26)

本解説記事では,論理式の充足可能性判定を利用したモデル検査について説明する.モデル検査とは,アルゴリズムやシステムの設計に対して,その状態空間を探索することで,与えられた性質が満たされるかどうかを判定する自動検証手法である.近年高速化が著しい充足可能性判定ツール(SATソルバやSMTソルバ)を用いることで,高速な検証が実現できる.本稿では,まずモデル検査や充足可能性判定について概説した後,プログラムのソースコードをモデル検査する手法について説明する.次に,より一般的なシステム記述を検証対象とした場合について,有界モデル検査と呼ばれる手法を紹介する.これは,初期状態からの有限の決められた回数の遷移による動作について検証を行う手法である.更に,この制約を取り除き,システムの全動作を対象とした検証を実現する手法について説明する.
著者
土屋 達弘 菊野 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.10, pp.2663-2674, 2007-10-01
被引用文献数
3 2

本論文は,ペアワイズテストと呼ばれるソフトウェアテスト手法に関するサーベイである.ペアワイズテストとは,ソフトウェアの入力パラメータの相互作用に注目し,フォールトを効率良く顕在化する手法である.具体的には,入力パラメータのペアのすべてに対して,それらがとり得る値の組合せすべてを網羅するようにテストを行う.ここでは,ペアワイズテストの定義と,この手法の背後にある根拠について述べた後,ペアワイズテストの条件を満たすテスト集合の構成問題について論じる.更に,ペアワイズテストの有効性について,知られている研究成果を紹介する.
著者
土屋 達弘 菊野 亨 ツチヤ タツヒロ キクノ トオル Tsuchiya Tatsuhiro Kikuno Tohru
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-, no.8, pp.2201-2201, 2008-08-01

本論文誌2007年10月号掲載のペアワイズテストに関するサーベイ論文において,ペアワイズテストの起源を米国の研究とする,事実と異なる記述があった.本論文では,ペアワイズテストの発明が日本において(少なくとも同時期に独立して)なされたことを,初期の関連文献とともに説明する.
著者
土屋 達弘 菊野 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, 2008-08-01

本論文誌2007年10月号掲載のペアワイズテストに関するサーベイ論文において,ペアワイズテストの起源を米国の研究とする,事実と異なる記述があった.本論文では,ペアワイズテストの発明が日本において(少なくとも同時期に独立して)なされたことを,初期の関連文献とともに説明する.