著者
齋藤 努 藤尾 慎一郎 土生田 純之 亀田 修一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題の目的は、古代の朝鮮半島と日本の青銅器を対象とし、鉛同位体比分析と元素組成分析によって原料産地を系統的に調べて、中国~朝鮮半島~日本における技術とモノの動き、製錬開始時期について考察を行うことである。日本側は古墳時代後期-古代初め頃までの古墳や遺跡の出土資料が、韓国側は国立中央博物館と釜山大學校博物館の所蔵資料が主な対象である。朝鮮半島出土資料は、韓国での発掘成果報告書刊行にあわせて分析を行い、データの蓄積を図った。
著者
土生田 純之 酒井 清治
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究では古墳時代東日本の渡来系文化が西日本にさほど遅れることなく導入されていたとの認識のもとに、実体・その後の展開の解明にあたった。その結果、渡来系文化の導入地については面的というより点的な分布を示すこと、その後在来文化の中に吸収・解消されて実体がなくなるものの他に、永く影響を与えて残存するものなどが見られた。このうち、渡来系文化の受容地が面的ではなく、点的な広がりにとどまるという点については、西日本が概ね前者の形態をとることに対する大きな相違といえ、このことがこれまで当地の渡来系文化の受容に対する(著しく受容が遅れるという)誤解を生んだのではないかと思われる。また点的な分布の中でも長野盆地では前代の弥生時代から渡来系文化の受容が引き続いており、日本海を通じた直接的な交流も想定される。これに対して積石塚や竈付き住居に見られる渡来人の存在については、自由な往来と言うよりも、在地権力の規制のもとでの移動・定住が想定された。しかしこうした在地権力の動きが畿内のより大きな権力の影響下にあったものか、それとも各在地権力自身の自発的な活動によるものかまでは明確にできなかった。総じて渡来系文化の受容はこれまで考えられていたよりも相当遡上した時期に始まること、しかしその分布は点的な存在にとどまり、在来文化の中に吸収・解消されることの多い点が西日本との目立った相違といえよう。また明確に渡来系文化の継続的な導入が認められる北限は仙台平野であり、直接的導入の濃密な北限は福島県郡山盆地が考えられる。
著者
土生田 純之
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター古代東ユーラシア研究センター年報
巻号頁・発行日
vol.1, pp.37-49, 2015-03

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