著者
土門 晃二 河島 伸子 馬奈木 俊介 堀江 進也
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、アジア諸国(主に中国、韓国、ベトナム、タイ、インドネシア)の知的財産権侵害の実態を現地調査で明らかにし、その経済学的な特性を捉えて、先進国と途上国・新興国間での取締りの協調関係構築の可能性について考察した。それらの考察は、利害関係者への詳細なインタビュー、アンケート調査、公表データに基づいており、工業製品(模倣部品)、食品(日本食材)、コンテンツ(音楽CD・ファイル)、技術特許における知的財産権侵害が対象となった。
著者
土門 晃二 中村 清
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、インターネット上での違法ファイル共有の実態について調査を行い、経済学的な視点から制度的および理論的な分析を行った。調査を行った地域は主にアジア地域(中国、韓国、台湾、ベトナム)であり、アンケートとインタビューによって発展途上国と先進国での違いを明確に出来た。特に、ベトナムを中心的に調査を行った。中国以上に違法コピーが多い国で、経済の発展レベルも調査国の中で一番低い。ミュージシャンや作曲家、マネージャー、放送関係者、大学生に数度にわたりインタビューを行い、途上国では違法コピーによる利害関係が先進国と大きく異なり、多くのミュージシャンが違法コピーによるプロモーション効果(ライブ・ステージのための)に依存していることが明らかになった。また、インターネットを利用する取引費用(回線速度やプロバイダー費用)が大きく、違法CDの利便性が上回っていることも判明した。また、理論的な分析として、違法コピーが存在する場合の価格戦略、コピー・コントロールを利用した価格戦略、および放送における権利問題などを行った。コピー・コントロールに関しては、価格差別を行うことによって、生産者、需要者ともに利便性が増すことを証明した。これらの成果は、海外の主要な専門雑誌と書籍、国内外のセミナー、コンファレンスなどで発表を行っており、充実した研究が実施されたものと自負している。また、調査に関連した新聞記事がベトナムで掲載され、学術的な領域を超えて、社会一般の関心を集めることにも成功した。