著者
辻川 真弓 犬丸 杏里 坂口 美和 船尾 浩貴 武田 佳子 玉木 朋子 竹内 佐智恵
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.215-224, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
37

【目的】保健医療福祉職を対象にAdvance Care Planning(ACP)を促すworkshop(WS)を行い,今後ACPを行いたいと思う人の割合,および参加者の死生観変化から,WSがACPの動機づけとなるかを明らかにする.【方法】WS後に家族や大切な人とACPを行う意思の有無により参加者を2群に分け,死生観およびWSの感想をWS前と比較した.【結果】分析対象は91名,ACPを行いたいと思う群は42名(46.2%)であった.死生観はWS前に比して,両群ともに,「死後の世界観」「死への恐怖・不安」が有意に低下した.ACPを行いたいと思う群では,「死からの回避」(効果量−0.42)「人生における目的意識」(効果量0.51)が有意に肯定的に変化した.【結論】WSによりACPを行おうとする人は半数程度であり,人生における目的意識の高まり,死を回避しない姿勢の関与が示唆された.
著者
池田 道智江 平野 真紀 坂口 美和 森 京子 玉田 章
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.4_46-54, 2011-12-20 (Released:2012-01-21)
参考文献数
37
被引用文献数
4 1

目的:看護師を対象にQOLと自己効力感が離職願望にどのような影響を及ぼすのかを明らかにする.方法:看護師625名に質問紙票を配布し,全項目に回答した300名を対象とした.質問紙は個人属性,QOL(WHO/QOL-26日本語版),自己効力感(一般性自己効力感尺度:GSES),離職願望尺度で構成した.結果:経験年数別の比較では,QOL,GSESにおいて3年以上5年未満が最低値を示し,20年以上が最高値を示した(p<0.01).離職願望は,3年以上5年未満が最高値を示し,20年以上が最低値を示した(p<0.05).QOL,GSES,離職願望で有意な相関(p<0.01)を認め,カテゴリカル回帰分析の結果,離職願望に対してQOL(身体領域,社会関係),GSES(行動の積極性,失敗に対する不安,能力の社会的位置づけ),婚姻状況が有意に影響していた.結論:経験年数3年以上5年未満の中堅看護師の移行期間への離職願望防止対策構築の必要性が示唆された.