著者
古川 智恵 森 京子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.83-87, 2018

本研究の目的は,看護大学生の学びのレポートから清潔間欠自己導尿指導のシミュレーション演習の評価を行うことである.研究への同意が得られた81 名の学生の演習終了後のレポートを分析対象とした.その結果,【正しい手順を理解するために患者の状況を見ながら根拠を踏まえたわかりやすい指導を行う必要性】,【看護師の温かく見守る態度やよき相談者として信頼関係を築く関わり】など6 カテゴリーが形成された.演習を通して学生は,患者または看護師の立場に立って排尿障害のため清潔間欠自己導尿を行いながら生活する患者の指導方法や苦痛について学んでおり,清潔間欠自己導尿指導のシミュレーション演習は,看護大学生にとって患者理解を学ぶ効果的な演習方法の一つであると言える.
著者
池田 道智江 平野 真紀 坂口 美和 森 京子 玉田 章
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.4_46-54, 2011-12-20 (Released:2012-01-21)
参考文献数
37
被引用文献数
4 1

目的:看護師を対象にQOLと自己効力感が離職願望にどのような影響を及ぼすのかを明らかにする.方法:看護師625名に質問紙票を配布し,全項目に回答した300名を対象とした.質問紙は個人属性,QOL(WHO/QOL-26日本語版),自己効力感(一般性自己効力感尺度:GSES),離職願望尺度で構成した.結果:経験年数別の比較では,QOL,GSESにおいて3年以上5年未満が最低値を示し,20年以上が最高値を示した(p<0.01).離職願望は,3年以上5年未満が最高値を示し,20年以上が最低値を示した(p<0.05).QOL,GSES,離職願望で有意な相関(p<0.01)を認め,カテゴリカル回帰分析の結果,離職願望に対してQOL(身体領域,社会関係),GSES(行動の積極性,失敗に対する不安,能力の社会的位置づけ),婚姻状況が有意に影響していた.結論:経験年数3年以上5年未満の中堅看護師の移行期間への離職願望防止対策構築の必要性が示唆された.
著者
森 京子
出版者
三重県立看護大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、終末期がん患者が在宅緩和ケアへ移行する際のアドボケイトとしての看護実践とは何かを明らかにすることである。本研究は、病院看護師への参加観察および半構成的面接による質的記述的研究である。結果、従来の抽象的な議論を超えて、在宅緩和ケアへ移行する終末期がん患者に対するアドボケイトとしての看護実践のテーマとして、【選択できるように支える】、【患者が望む過ごし方を具現化する】、【スムーズな療養場所への移行を図る】が生成された。