著者
関谷 亮 唐木田 一成 新井 俊弘 佐藤 佑介 坂本 由紀 金井 直樹 丸山 亮 金子 明寛
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.69-76, 2010-08-01 (Released:2010-09-11)
参考文献数
13

口腔感染症患者より分離した各種細菌およびCandida属菌株のbiofilm形成能をクリスタルバイオレット染色法で評価した結果,Prevotella intermedia,Porphyromonas gingivalis,Actinomyces odontolyticus,Streptococcus mitis,Candida albicansおよびCandida glabrataにおいてbiofilm形成能の高い菌株が見出された.これらの菌株を対象に各種抗菌薬または抗真菌薬のsub-MICにおけるbiofilm形成抑制作用を検討した.P. intermediaおよびP. gingivalisに対してlinezolid,azithromycinおよびclarithromycinのsub-MICでの作用によりbiofilm形成抑制効果が認められたが,検討した他の菌種のbiofilm形成に対する抑制効果は認められなかった.一方,C. albicansおよびC. glabrataに対しては,測定した抗真菌薬のうちmicafunginのみがsub-MICにおけるbiofilm形成抑制作用を示した.