著者
坂本 春生 唐木田 一成 関谷 亮 大野 啓介 増子 弘美
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.2735-2740, 2014-11-10 (Released:2015-11-10)
参考文献数
4

口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症を予防する効果があることが報告されている.口腔ケアは多くの施設で取り入れられているが,その実際は施設により異なり,効果判定も困難なことが多い.口腔内にはおよそ600種の微生物が存在し,常在菌叢を形成している.これらは容易に歯垢によるバイオフィルム形成をもたらし,その除去には物理的なブラッシングに頼る部分が大きい.本稿では,口腔ケアと関連する細菌学的事項,病棟における口腔ケアの実際,各種職種の役割分担,ケアにおける考え方などにつき,当院での経験を述べた.
著者
関谷 亮 唐木田 一成 新井 俊弘 佐藤 佑介 坂本 由紀 金井 直樹 丸山 亮 金子 明寛
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.69-76, 2010-08-01 (Released:2010-09-11)
参考文献数
13

口腔感染症患者より分離した各種細菌およびCandida属菌株のbiofilm形成能をクリスタルバイオレット染色法で評価した結果,Prevotella intermedia,Porphyromonas gingivalis,Actinomyces odontolyticus,Streptococcus mitis,Candida albicansおよびCandida glabrataにおいてbiofilm形成能の高い菌株が見出された.これらの菌株を対象に各種抗菌薬または抗真菌薬のsub-MICにおけるbiofilm形成抑制作用を検討した.P. intermediaおよびP. gingivalisに対してlinezolid,azithromycinおよびclarithromycinのsub-MICでの作用によりbiofilm形成抑制効果が認められたが,検討した他の菌種のbiofilm形成に対する抑制効果は認められなかった.一方,C. albicansおよびC. glabrataに対しては,測定した抗真菌薬のうちmicafunginのみがsub-MICにおけるbiofilm形成抑制作用を示した.