著者
本田 哲三 坂爪 一幸
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.146-153, 1998 (Released:2006-04-26)
参考文献数
18

最高次の脳機能とされる遂行機能は従来治療回復が困難とされてきた。本研究では先行研究から遂行機能の回復を目ざす (1) 自己教授法, (2) 問題解決訓練および (3) 身体訓練を取り上げ,慢性期前頭葉障害者6名に各6週間ずつ訓練を施行した。その結果,自己教授法および問題解決訓練が有効である可能性が示唆され,全例で日常生活で一定の改善傾向が認められた。以上について若干の考察を加えた。
著者
坂爪 一幸
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.50-55, 2012-07-31 (Released:2017-12-28)
参考文献数
21

発達障害や認知症は伝統的には行動や能力から理解されてきた。行動や能力には高次脳機能という基盤がある。発達障害も認知症も高次脳機能に生じた問題であり,高次脳機能を理解した支援が欠かせない。障害のある子どもや成人だけでなく,健常な子どもの能力や行動の発達も高次脳機能の成熟に基づく。また健常成人の加齢に伴う能力や行動の衰えは高次脳機能の低下に起因する。神経心理学の発展に伴って,能力や行動の基盤である高次脳機能の特徴を明確にして対応を策定する神経心理学的なアプローチの重要性が増している。本論では,発達障害と認知症の伝統的な障害理解の問題点,神経心理学的な視点による理解の有用性,そしてそれらに基づく包括的な支援の枠組みをまとめた。神経心理学は胎児・乳幼児・児童・生徒・成人・高齢者を対象にして,高次脳機能という視点から一貫した人間観と健康観を提供できる。
著者
坂爪 一幸
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.50-55, 2012-07-31

発達障害や認知症は伝統的には行動や能力から理解されてきた。行動や能力には高次脳機能という基盤がある。発達障害も認知症も高次脳機能に生じた問題であり,高次脳機能を理解した支援が欠かせない。障害のある子どもや成人だけでなく,健常な子どもの能力や行動の発達も高次脳機能の成熟に基づく。また健常成人の加齢に伴う能力や行動の衰えは高次脳機能の低下に起因する。神経心理学の発展に伴って,能力や行動の基盤である高次脳機能の特徴を明確にして対応を策定する神経心理学的なアプローチの重要性が増している。本論では,発達障害と認知症の伝統的な障害理解の問題点,神経心理学的な視点による理解の有用性,そしてそれらに基づく包括的な支援の枠組みをまとめた。神経心理学は胎児・乳幼児・児童・生徒・成人・高齢者を対象にして,高次脳機能という視点から一貫した人間観と健康観を提供できる。