著者
浅野 紘臣 磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
日本作物學會
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.174-177, 1998 (Released:2011-03-05)
著者
磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.374-380, 1997-09-05
被引用文献数
2

Arbuscular菌根菌をインゲンマメ栽培に利用するため, 品種「どじょう」と「セリーナ」を用いて, 土壌中の有効態リン含有量(ブレイ第2法にて測定)と菌根菌の関係ならびにインゲンマメの生育に対する菌株間の比較をおこなった. 得られた結果は, 以下の通りである. 播種時の有効態リン含有量が2.5 mg/100gになるとArbuscuIar菌根菌の感染が抑制され, 4.1 mg/100gではArbuscular菌根菌を接種してもインゲンマメの生育はあまりかわらなかった. このことから黒ボク土壌でインゲンマメ栽培にArbuscular菌根菌を利用するには, 播種時の有効態リン含有量が, 4.1 mg/100g以下であることが必要と思われた. 2種類のArbuscular菌根菌をインゲンマメに接種したところ, Gigaspora margarita, Glomus sp. (y) ともに接種胞子数が多くなるほどインゲンマメの生育はよくなかった. しかし, Gigaspora margarita と Glomus sp.(y)では, Glomus sp.(y) のほうが生育初期における感染率が高く, インゲンマメの生育もよかった. このことから, インゲンマメには Gigaspora margarita より Glomus sp.(y) のほうが, より有効な菌と思われた.
著者
浅野 紘臣 磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.174-177, 1998-06-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
8
被引用文献数
4 3

慣行栽培とアイガモ栽培(有機農法)により栽培された米の食味について官能試験により調査した.米の食味は, 総合評価ではアイガモ栽培米より慣行栽培米の食味が高いと判断された.その要因として, 慣行栽培米に比べてアイガモ栽培米はタンパク質含量が1%以上高いことが上げられる.しかし, 官能試験を行う前にアイガモ栽培米に関する幾つかの情報をパネルに伝えることによって, アイガモ栽培米の食味評価が若干高まった.言い換えれば, 米の情報を消費者に提供することによって, 消費者の米に対する評価が変化することを示唆していると思われた.
著者
磯部 勝孝 藤井 秀昭 坪木 良雄
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.453-459, 1996-09-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
11
被引用文献数
6 8

サツマイモ栽培における木炭の施用が土壌環境とサツマイモの収量に与える影響について調べた. 供試した木炭には多量のカリウムが含まれており, これを施用すると土壌中の交換性カリウム含有量が増大した. さらに中粒炭を10a当たり2,000kg施用すると土壌物理性が改善され, 気相割合や孔隙率が高まり固相や液相の割合は低下し, サツマイモがカリウムを吸収するのに良好な土壌環境となった. この結果, 木炭を施用すると塊根の加里/窒素比が高まり, 塊根肥大が促進され収量が高まることが明らかになった.
著者
磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.347-352, 1998-09-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
22
被引用文献数
11 16

種々のイネ科・マメ科作物のアーバスキュラー菌根菌接種による生育促進について比較検討を行うとともに, 根の形態およびリン吸収の関係について考察した.実験に供試した作物は, オカボ, コムギ, ソルゴー, オオムギ, シコクビエ, インゲンマメ, シロクローバー, ササゲ, アズキ, ダイズの10種である.調査項目は, 1.アーバスキュラー菌根菌の宿主作物への生育促進効果の違い, 2.根の形態, 3.生育に必要な土壌中の有効態リン含有量である.アーバスキュラー菌根菌の接種による宿主への生育促進効果は, イネ科作物よりマメ科作物のほうが顕著であった.また, イネ科作物はマメ科に作物に比べ, 土壌有効態リン含有量が低くても十分な生育を示した.これは, イネ科作物が, マメ科作物に比べ根毛が発達し, 地上部乾物重に対する根長が大きくリン吸収に有利な根系を有し, 低リン下でも高いリン吸収能を示すため, アーバスキュラー菌根菌の感染による宿主作物の生育促進が小さかったと考えられる.又, マメ科作物のほうがアーバスキュラー菌根菌による生育促進効果が著しいのは, アーバスキュラー菌根菌感染率が高いこともひとつの理由と推察された.これらのことから, イネ科作物とマメ科作物を比較した場合, マメ科作物のほうがアーバスキュラー菌根菌の利用価値が高いと言える.
著者
浅野 紘臣 磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-8, 1999-04-30
参考文献数
9
被引用文献数
5

アイガモ農法では, アイガモの行動範囲の多少によって除草効果が異なる。ここでは, 雑草防除に関係の深いアイガモの食性と行動について調査するとともにアイガモ放飼による除草効果について調査した。アイガモの食道膨大部を調査した結果, アイガモは雑草の他に昆虫類を摂食していた(Table 2)。この結果アイガモの放飼によって, 除草効果はもちろんのこと害虫に対する防除効果も期待できる。アイガモの行動は, 早朝と薄暮において活発に行動する傾向がみられた(Fig. 1)。また, 放飼されたアイガモは, 水田を縦横無尽に行動することが明らかになった(Fig. 2)。20aの水田に放飼されたアイガモ50羽の内の1個体をマークして調べた行動距離は3.8Km/3:00a.m.-20:00p.m.(17時間)であった(Fig. 1)。アイガモの放飼期間は6月下旬(田植3-4週間後)から8月上旬(出穂時)の40-50日間に及ぶことから、このアイガモの行動距離は, 雑草を制御するに十分な距離と思われた。ミゾソバ, ヤナギタデおよびイヌホタルイが僅かに残ったが実用上問題はなく, アイガモ放飼1週間後からアイガモの引き上げ時(出穂時)まで雑草(藻類を含む)は抑制され, アイガモによる除草効果は極めて大きかった。(Fig. 4, 5, 6, 7)。
著者
磯部 勝孝 坪木 良雄
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.347-352, 1998-09-05
参考文献数
23
被引用文献数
1

種々のイネ科・マメ科作物のアーバスキュラー菌根菌接種による生育促進について比較検討を行うとともに, 根の形態およびリン吸収の関係について考察した.実験に供試した作物は, オカボ, コムギ, ソルゴー, オオムギ, シコクビエ, インゲンマメ, シロクローバー, ササゲ, アズキ, ダイズの10種である.調査項目は, 1.アーバスキュラー菌根菌の宿主作物への生育促進効果の違い, 2.根の形態, 3.生育に必要な土壌中の有効態リン含有量である.アーバスキュラー菌根菌の接種による宿主への生育促進効果は, イネ科作物よりマメ科作物のほうが顕著であった.また, イネ科作物はマメ科に作物に比べ, 土壌有効態リン含有量が低くても十分な生育を示した.これは, イネ科作物が, マメ科作物に比べ根毛が発達し, 地上部乾物重に対する根長が大きくリン吸収に有利な根系を有し, 低リン下でも高いリン吸収能を示すため, アーバスキュラー菌根菌の感染による宿主作物の生育促進が小さかったと考えられる.又, マメ科作物のほうがアーバスキュラー菌根菌による生育促進効果が著しいのは, アーバスキュラー菌根菌感染率が高いこともひとつの理由と推察された.これらのことから, イネ科作物とマメ科作物を比較した場合, マメ科作物のほうがアーバスキュラー菌根菌の利用価値が高いと言える.