著者
田中 智之 木倉 丈 竹本 啓輝 垣内 弘章 安武 潔 大参 宏昌 阿部 淳子 酒井 伊都子 林 久貴 福原 成太
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.469-470, 2017

PPFC(Plasma Polymerization Fluorocarbon)膜は、絶縁性・耐薬品性を有する撥水膜として様々な応用が期待されている。しかし、その原料ガスには、C<sub>4</sub>F<sub>8</sub>など高次の炭素を含有するフルオロカーボンガスが用いられることがもっぱらであり、PPFC膜の形成を廉価なCF<sub>4</sub>で実現できれば、コストメリットは大きい。そこで本研究ではCF<sub>4</sub>原料ガスからのPPFC膜の高速形成を目指し、高圧プラズマを用いたCVDの適用を試みた。PPFC膜の形成に寄与するパラメータを調査した結果を報告する。
著者
安武 潔 垣内 弘章 大参 宏昌
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

薄型Si太陽電池の実現には、光閉じ込め技術に加えて、キャリアの表面再結合を抑制するパッシベーション技術が鍵となる。p型Si表面のパッシベーションには、負の固定電荷をもつ絶縁膜が有効であり、Al_2O_3薄膜がその可能性を有している。本研究では、p型si表面のパッシベーションに有効なAl_2O_3/極薄SiO_2/Si構造の形成条件を明らかにすることにより、高効率Si太陽電池製造に必要なAl_2O_3薄膜の低温・高速形成プロセスを開発する。(1)大気圧プラズマによるSiおよびAlの酸化特性を調べた結果、400℃でのSi酸化速度は、1000℃ドライ熱酸化と同等であること、Al酸化速度はSiの1/2程度であり、熱酸化に比べ高速であることが分かった。(2)大気圧プラズマ酸化によるSiO_2膜は、高温熱酸化膜と同等の品質であり、SiO_2/Si界面準位密度はD_<it>=2×10^<10>cm^<-2>eV^<-1>であった。一方、正の固定電荷密度が高い(Q_f=5.3×10^<12>cm^<-2>)ため、n型Si表面のパッシベーションに有効であり、非常に低い表面再結合速度(S_<eff>80cm/s)を実現した。(3)Al/Si構造を大気圧プラズマ酸化することにより作製したAlO_x/Si構造は、負のQ_fを有するが、界面特性が十分でなかったため、Al_2O_3/SiO_2/Si構造を形成した。SiO_2が厚い場合、正のQ_fを示すが、SiO_2膜厚の減少とともに負のQ_fが増加することが分かった。(4)Al_2O_3/薄いSiO_2/Si構造により、D_<it>=9×10^<10>cm^<-2>eV^<-1>,負のQ_f=5.4×10^<12>cm^<-2>,S_<eff>=260cm/sが得られた。S_<eff>は、HF処理による915cm/sに比べてかなり低く、本方法で形成したAl_2O_3/SiO_2/Si構造が、p型Si表面パッシベーションに有効であることが示された。