著者
天倉 吉章 堤 智昭 飯田 隆雄 中川 礼子 堀 就英 飛石 和大 内部 博泰 中村 宗知 柳 俊彦 河野 洋一 豊田 正武 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.148-152, 2005-08-25
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

市販ベビーフード中のダイオキシンレベルを評価するために,2001~2002年に入手した102品目(102試料) のベビーフード中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕の分析を行った.その結果,各試料の毒性等量(TEQ)は湿重量当たり<0.001~0.135 pg-TEQ/gで,102試料中,26試料が0.010 pg-TEQ/g以上であった.最高濃度は,おかず類"いわし,野菜"(0.135 pg-TEQ/g),次いで"いわし,大根" (0.080 pg-TEQ/g)であった.傾向として,魚類や乳製品のような動物性食品を含むものにダイオキシン検出が認められたが,それらは低い汚染レベルであった.
著者
古賀 敬興 平川 周作 石橋 融子 堀 就英
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.100-104, 2021-06-25 (Released:2021-07-02)
参考文献数
8
被引用文献数
1

マイクロ波分解装置を用いたミネラルウォーター類以外の清涼飲料水のスズ,ヒ素,鉛分析法の検討と性能評価を実施した.3元素を通して,真度93~100%,併行精度0.7~6.1 RSD%,室内精度0.9~8.6 RSD%であった.スズの試料調製においては,マイクロ波分解処理後に硫酸を添加する操作を追加することによって添加回収率および再現性の向上が確認された.また,本手法の適用性を検証するため,性状の異なる5種類の清涼飲料水について添加回収試験を実施した結果,回収率は92~102%であった.本手法によって幅広いミネラルウォーター類以外の清涼飲料水の分解処理およびスズ,ヒ素,鉛の定量分析への適用が期待でき,さらに既開発法と比較して作業時間の短縮および作業の簡便化が実現できた.
著者
豊田 正武 堤 智明 柳 俊彦 河野 洋一 内部 博泰 堀 就英 飯田 隆雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.316-320, 2000-10-25

野菜試料における, アセトン・ヘキサン振とう抽出法とトルエン還流抽出法のダイオキシン類抽出効率の比較を行った. 抽出試験を3回行った結果, ほうれん草では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.48, 0.80及び7.7pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.43, 0.72及び7.3pg/g検出された. また, ちんげん菜では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.67, 0.50及び2.6pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.81, 0.64及び2.6pg/g検出された. 両抽出法の間で, 抽出量には有意な差はなく, 両者の野菜中ダイオキシン類の抽出効率は同様であることが判明した.