著者
坂元(佐々木) 史歩 佐藤 恭子 阿部 雅美 杉本 直樹 米谷 民雄
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.57-63, 1998-06-30 (Released:2017-12-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Turmeric oleoresin is a natural food color used worldwide. Its principal pigment is curcumin, and demethoxycurcumin and bisdemethoxycurcumin are also constituents. In this report, the photo-stability of curcumin reagent, turmeric oleoresin preparations, and a turmeric preparation used as food color was examined and the following results were obtained. 1) Based on the quantity ratios of 3 pigments and the presence of non-coloring constituents, the preparations including a turmeric preparation were divided into 2 categories. 2) It was difficult to detect 3 spots of the pigments by TLC chromatography using a microcrystalline cellulose plate. 3) On photoirradiation, the curcumin reagent was relatively stable in alcohols among various solvents. 4) After the photo-irradiation of curcumin reagent, a cyclisation product of curcumin was detected, as well as decomposed compounds such as vanillic acid. vanillin, and ferulic acid. 5) The photo-stability was not different among the preparations. 6) The photo-decomposed compounds were not detected in any of the preparations.
著者
坂元(佐々木) 史歩 佐藤 恭子 阿部 雅美 杉本 直樹 米谷 民雄
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.57-63, 1998-06-30
被引用文献数
1

Turmeric oleoresin is a natural food color used worldwide. Its principal pigment is curcumin, and demethoxycurcumin and bisdemethoxycurcumin are also constituents. In this report, the photo-stability of curcumin reagent, turmeric oleoresin preparations, and a turmeric preparation used as food color was examined and the following results were obtained. 1) Based on the quantity ratios of 3 pigments and the presence of non-coloring constituents, the preparations including a turmeric preparation were divided into 2 categories. 2) It was difficult to detect 3 spots of the pigments by TLC chromatography using a microcrystalline cellulose plate. 3) On photoirradiation, the curcumin reagent was relatively stable in alcohols among various solvents. 4) After the photo-irradiation of curcumin reagent, a cyclisation product of curcumin was detected, as well as decomposed compounds such as vanillic acid. vanillin, and ferulic acid. 5) The photo-stability was not different among the preparations. 6) The photo-decomposed compounds were not detected in any of the preparations.
著者
米谷 民雄 齋藤 博士
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.279-291, 2009
被引用文献数
4

1989年秋に米国で好酸球増多筋痛症候群(EMS)と呼ばれる事例が多数発生した。それが昭和電工が製造したL-トリプトファン(以後、トリプトファン)製品を多量摂取していた人に多発していることが明らかにされ、原因究明のための研究が主に日本と米国で開始された。わが国においては1990年に原因究明委員会が設置され、また、厚生科学研究班が組織された。この厚生(労働)科学研究の後半期は、今後の同様な食品中毒の発生を防止し、国民の安全な食生活に寄与することを目的として、文献調査が主に実施された。しかし、2004年度の研究課題「必須アミノ酸製品等による健康影響に関する調査研究」を最後にこの研究事業も終了し、2005年度には食品等試験検査費による調査として単年度のみ継続されたが、ついに2006年3月末をもって、16年間にわたり継続された研究事業が完全に終了となった。一方、米国で多発したEMSの症状が1981年にスペインで発生したアニリンで変性したナタネ油による有毒油症候群(TOS)に類似しており、また、EMSの原因物質候補として発見された化合物がTOSの原因物質とも関連するように思われたため、後半期の厚生(労働)科学研究の文献調査においては、EMSとTOSの両方にまたがる文献調査が行われた。筆者らは1998年から最後の8年間の研究を担当し、幕引きの場に立ちあったことから、このEMSとTOSについて、事件発生の概要と原因究明研究のあらましについて説明させていただくことにした。
著者
天倉 吉章 堤 智昭 飯田 隆雄 中川 礼子 堀 就英 飛石 和大 内部 博泰 中村 宗知 柳 俊彦 河野 洋一 豊田 正武 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.148-152, 2005-08-25
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

市販ベビーフード中のダイオキシンレベルを評価するために,2001~2002年に入手した102品目(102試料) のベビーフード中のダイオキシン類〔ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)およびコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCBs)〕の分析を行った.その結果,各試料の毒性等量(TEQ)は湿重量当たり<0.001~0.135 pg-TEQ/gで,102試料中,26試料が0.010 pg-TEQ/g以上であった.最高濃度は,おかず類"いわし,野菜"(0.135 pg-TEQ/g),次いで"いわし,大根" (0.080 pg-TEQ/g)であった.傾向として,魚類や乳製品のような動物性食品を含むものにダイオキシン検出が認められたが,それらは低い汚染レベルであった.
著者
佐藤 恭子 坂元(佐々木) 史歩 米谷 民雄 山田 隆
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.122-125, 2000-04-25
被引用文献数
2

既存添加物のコウジ酸が甲状腺腫瘍を引き起こすことが報告されている. そこで, コウジ酸製剤を食品に使用した場合の残存量に寄与すると考えられる種々の要因, 浸漬時間, 洗浄, 保存, 煮沸等の影響について, 殻付きの甘エビを用いて検討した. その結果, 冷凍, 解凍の操作により, 殻及び身中のコウジ酸は減少し解凍時の水分の流出とともに溶出するものと考えられた. また, 殻ごと洗浄した場合は, 身中のコウジ酸含量は洗浄しない場合と変わらず, 洗浄では溶出しないと考えられた. 冷蔵では, 冷凍に比べ, 身中の残存量が多かった. 更に, 煮沸により, 殻及び身中のコウジ酸の8~9割が溶出すると考えられた.
著者
坂井 隆敏 人見 ともみ 菅谷 京子 甲斐 茂美 村山 三徳 米谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.144-147, 2007-10-25 (Released:2008-02-05)
参考文献数
14
被引用文献数
16 15

液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)による,豚および牛組織中のβ-作動薬ラクトパミンの簡便かつ再現性の高い分析法を開発した.筋肉および肝臓の場合は,酢酸エチルによりラクトパミンを抽出し,得られた酢酸エチル層を減圧乾固後,残留物をアセトニトリル/n-ヘキサン分配により精製した.脂肪の場合は,アセトニトリル/n-ヘキサンにより分配抽出および精製を行った.精製後に得られたアセトニトリル層を減圧乾固し,残留物をメタノールに再溶解後LC/MS測定に供した.LCにおける分離は,分析カラムとしてWakosil-II 3C18HGカラム(150×3 mm i.d.),移動相として0.05%トリフルオロ酢酸-アセトニトリル(80 : 20)を用い,流速0.4 mL/minの条件で行った.MSにおける検出は選択イオン検出(SIR)モードにて行い,エレクトロスプレーイオン化法(ESI)により生じたラクトパミンの擬分子イオン(m/z 302)を検出した.本法による筋肉(0.01 μg/g添加),脂肪(0.01 μg/g添加)および肝臓(0.04 μg/g添加) からのラクトパミンの平均回収率(n=3)は,豚サンプルにおいてそれぞれ99.7%, 99.5%および100.8%,牛サンプルにおいてそれぞれ108.3%, 97.0%および109.4%であった.相対標準偏差は0.1∼9.5%の範囲であった.また,定量下限値は0.001 μg/g (1 ng/g)であった.
著者
坂元 史歩 佐藤 恭子 米谷 民雄
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.136-140, 1997
参考文献数
7

The components in a commercial natural food additive "lemon peel extract" and the acetone extract of a commercial lemon peel were studies using high performance liquid chromatography (HPLC) and liquid chromatography/mass spectrometry (LC/MS). HPLC chromatograms for both preparations were almost the same. The peaks corresponding to citral (cis- and trans-forms) were observed as the main peaks in the HPLC and LC/MS chromatograms; however, the peak corresponding to geraniol was not detected. In Japan, four synthetic antimolding agents (o-phenylphenol, diphenyl, thiabendazol and imazalil) are permitted for lemon. By comparison of the retention times and the photodiode-array sepctrum with those of four authentic samples in HPLC, it was suggested that o-phenylphenol was contained in the commercial "lemon peel extract". The quasi molecular ion peak of o-phenylphenol was detected by LC/MS using the atmospheric pressure chemical ionization (APCI) method in the negative mode, and the mass spectrum of the compound that was thought to be o-phenylphenol, was identical to that of the authentic sample. Nevertheless, the amount was so low that it could not contribute to the antimolding activity of the commercial "lemon peel extract". Three other synthetic antimolding agents were not detected in the commercial "lemon peel extract".
著者
米谷 民雄 鈴木 資子 岩崎 恭子 久保田 浩樹 山田 隆
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.241-247, 1996-06-30
参考文献数
29
被引用文献数
1

Maltol is a food additive used worldwide, while it enhances the brain toxicity of aluminum (Al). Al injected with maltol is primarily transferred to the liver and so it may also cause hepatic injury. Kojic acid is used as a food additive in Japan and is structurally related to maltol. Therefore, the hepatotoxicity of Al with maltol was compared to that of Al with kojic acid in mice. Al injected intravenously with maltol in a 1 : 4 molar ratio at a dose of 0.25 mmol Al/kg caused an increase in the plasma activities of aspartate aminotransferase (AST) and alanine aminotransferase (ALT) despite lower hepatic Al concentration than those found after administration in a 1 : 2 molar ratio and with Al only. At the same time, hepatic phosphorus and sulfur (S) levels decreased. The decrease in the S level was ascribed to that in the taurine content. The increase in urinary taurine was also observed. Al alone, maltol alone, or Al : kojic acid at a ratio of 1 : 4 did not alter the plasma activities of AST and ALT or the hepatic element levels. These findings may suggest that tris (maltolato) aluminum (III) (Al (maltol)_3) is a hepatotoxin.
著者
穐山 浩 五十鈴川 和人 張替 直輝 渡邊 裕子 飯島 賢 山川 宏人 水口 岳人 吉川 礼次 山本 美保 佐藤 秀隆 渡井 正俊 荒川 史博 小笠原 健 西原 理久香 加藤 久 山内 淳 高畑 能久 森松 文毅 豆越 慎一 村岡 嗣朗 本庄 勉 渡邉 敬浩 坂田 こずえ 今村 知明 豊田 正武 松田 りえ子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.120-127, 2004-06-25
参考文献数
16
被引用文献数
2 12

特定原材料である牛乳タンパク質測定のELISA法の確立のために10機関による検証評価試験を行った.カゼイン,β-ラクトグロブリンおよび牛乳タンパク質を測定する3種類のELISA法とも同時再現性はおおむねCV値10%以下と良好であった.10機関で牛乳標準溶液を添加した5食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,3種類のELISA法とも数種類の食品抽出液を除きおおむね40%以上であった.しかしカゼインキットでは,回収率が極端に低いソースの抽出液の場合,抽出液のpHを中性に調整した後に測定すると回収率が改善された.また牛乳エライザキットでは,クッキー,シリアル,パスタソースの抽出液において,回収率が低かったが,プレート上の抗体量を増加させることにより改善された.3種類のELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で1 ng/mLであった.
著者
根本 了 高附 巧 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.371-376, 2002-12-25
参考文献数
12
被引用文献数
2 60

試料に内標準として <sup>13</sup>C 標識したアクリルアミド-1-<sup>13</sup>Cを添加して水抽出し,酸性条件下臭化カリウム-臭素酸カリウムで臭素化し,生じた2,3-DBPAをトリエチルアミンで脱臭化水素して2-BPAとした後,GC/MS (SIM) で定量する食品中のアクリルアミドの分析法を確立した.ポテトチップス,コーンスナック,プレッツェル及びほうじ茶を用いて添加回収実験を行った結果,回収率 97~105% 及び相対標準偏差 0.8~3.9% の良好な結果が得られた.また,本分析法の検出限界は 9 ng/g であった.市販食品31検体の実態調査を行った結果,アクリルアミドは,ポテトチップスから 466~3,340 ng/g 検出され,その他の食品からは不検出~520 ng/g 検出された.
著者
山口 昭弘 清水 香織 三嶋 隆 青木 信太郎 服部 秀樹 佐藤 秀隆 上田 信男 渡邉 敬浩 日野 明寛 穐山 浩 米谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.146-150, 2006-08-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
9
被引用文献数
8 11

遺伝子組換え(GM)パパイヤの同定においてわが国の公定法のPCR法を改良し,簡便かつ迅速な検知法を開発した.凍結乾燥処理を省略し,生果肉から直接シリカゲル膜タイプの市販キットを用いてDNAを抽出した.GMパパイヤ特異的遺伝子およびパパイヤ内在性のpapain遺伝子を同時に増幅するduplex PCR法を開発するために,papain遺伝子に対する公定法のPCR増幅産物(211 bp)の内側に,新たなプライマーペア papain 2-5'/3' を設計した.GMパパイヤ検出用のプライマーペアには公定法と同一のものを用いた.これらのプライマーペアを同一チューブ内に共存させて増幅させる duplex PCR 法を行った後,増幅産物をアガロースゲル電気泳動またはマイクロチップ電気泳動により同時検出した.本法により簡便,迅速なGMパパイヤの同定が可能であった.
著者
佐藤 恭子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.73-76, 2003 (Released:2011-03-05)

クチナシ赤色素(GR)およびクチナシ青色素(GB)は、製造工程中のメタノールの生成が懸念される。規格設定の際にメタノールについての検討が必要になるため、標準添加法を用いたヘッドスペース-GC(HS-GC)による定量法を検討した。HS-GCのためには粉末試料を水に溶解することが、水溶液ではGBからメタノールが生成することが知られているため、HS-GCにおけるバイアル加熱条件の違いによるメタノール定量値の比較を行った。バイアルを加熱しない(A)、50℃で20分間保持(B)あるいは80℃で20分間保持(C)の3条件のうち、条件AとBではメタノール含量は変わらなかった。条件Cで1.2倍となった。条件BでGR2検体およびGB3検体について分析を行ったところ、メタノール含量、GRで8および9μg/g、GBで25~34μg/gであった。
著者
河村 葉子 井之上 浩一 中澤 裕之 山田 隆 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.13-17, 2001-02-25
参考文献数
10
被引用文献数
2 24

ビスフェノールA (BPA) 含有量が高かったコーヒー及び紅茶飲料の相当缶を検討したところ, いずれもエポキシ樹脂コーティングに原因があったが,サイドシームや底蓋部でBPA濃度が極めて高かったり, 胴部がやや高いため缶全体の残存量が高いなど原因部位は様々であった. 水60及び95℃, 20%エタノール, <i>n</i>-ヘプタンではBPAは溶出しなかったが, 水120℃30分間では35~124ng/mL溶出した. 相当缶のBPA溶出量は材質中の残存量とほぼ一致し, 缶入飲料のBPA含有量とも近い値であった. BPAの移行は, コーティング中のBPA残存量と飲料の加熱条件に依存することが示された. 一方, 改良缶ではコーティング中のBPA量が大幅に減少しており, 溶出量は1/10以下に低減された.
著者
渡邉 敬浩 笠間 菊子 和久井 千世子 渋谷 雅明 松木 容彦 穐山 浩 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.281-288, 2003-12-25
被引用文献数
10 12

遺伝子組換え(GM)食品定性検査方法を用いて得られる測定結果の信頼性確保には,精度管理が不可欠である.そこで当該検査方法を対象とした外部精度管理方法を検討することを目的とし試験を実施した.共通未知試料を同一時期に分析するよう14検査機関に依頼し,回収した報告を基に詳細な解析を行った.その結果,検査環境の保全が不十分であることが原因と考えられる擬陽性判定が認められた.また,NewLeaf PlusおよびNewLeaf Yを対象とした検査方法においては,増幅効率の差異や検出にかかわる諸条件が要因となり,擬陰性判定が下される可能性があることが示唆された.全体としてはおおむね解析結果が予想された結果に一致したこと,また対象検査法において結果に影響を与える要因について示唆することができたことから,本研究で用いられた試験方法が外部精度管理方法として適当であると考えられた.
著者
天倉 吉章 近藤 一成 穐山 浩 伊東 秀之 波多野 力 吉田 隆志 米谷 民雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.178-181, 2006-08-25
被引用文献数
1 11

キシメジ科スギヒラタケの化学成分に関する研究の一環として,本キノコ中のUV検出成分についてHPLC分析を行った.UV検出による主要ピークの1つを単離したところ,各種分光法の結果に基づき,共役トリエン構造を有するα-エレオステアリン酸であると同定した.α-エレオステアリン酸は,試験した他の8種の食用キノコからは検出されなかったため,スギヒラタケ特有の脂肪酸であることが示唆された.またスギヒラタケおよび他の食用キノコ中の遊離長鎖脂肪酸について,2-ニトロフェニルヒドラジドへ変換後,HPLC分析した.スギヒラタケの主要脂肪酸としてオレイン酸が検出され,α-エレオステアリン酸のほか,リノール酸,パルミチン酸,ステアリン酸などの飽和長鎖脂肪酸が検出された.
著者
斎藤 勲 上野 英二 大島 晴美 松本 浩 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.173-177, 2006-08-25
被引用文献数
2

GC-FIDを用いるメトプレン試験法を見直すための検討を行った.試料からアセトニトリル抽出し,塩析により水層分離後,アセトニトリル層を少量のヘキサンで洗浄,次いでフロリジルカラムで精製してHPLC-UVで測定した.小麦など7種類の試料からの平均回収率は 74.6~82.8% と良好であった.さらに本法を6機関で評価したところ,5種類の試料からの平均回収率は79.4~84.6%,併行再現性および室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ 2.3~8.8%,8.8~23.6% であった.1機関でらっかせいからの回収率が高かったために室間再現性が高くなったのを除いて良好な結果が得られた.検出限界は0.001~0.02 μg/gであった.
著者
天倉 吉章 近藤 一成 穐山 浩 伊東 秀之 波多野 力 吉田 隆志 米谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.178-181, 2006-08-25 (Released:2008-08-04)
参考文献数
18
被引用文献数
10 11

キシメジ科スギヒラタケの化学成分に関する研究の一環として,本キノコ中のUV検出成分についてHPLC分析を行った.UV検出による主要ピークの1つを単離したところ,各種分光法の結果に基づき,共役トリエン構造を有するα-エレオステアリン酸であると同定した.α-エレオステアリン酸は,試験した他の8種の食用キノコからは検出されなかったため,スギヒラタケ特有の脂肪酸であることが示唆された.またスギヒラタケおよび他の食用キノコ中の遊離長鎖脂肪酸について,2-ニトロフェニルヒドラジドへ変換後,HPLC分析した.スギヒラタケの主要脂肪酸としてオレイン酸が検出され,α-エレオステアリン酸のほか,リノール酸,パルミチン酸,ステアリン酸などの飽和長鎖脂肪酸が検出された.