著者
堀口 久五郎
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.123-134, 2010-03-01

「精神保健福祉」という用語の存立基盤を探る基礎的研究として、1995年「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」と、1997年「精神保健福祉士法」という精神保健福祉を名のる2つの法制度をとりあげ、その用語の成立と普及・促進に大きな影響を与えた法令や政府関係資料を明らかにし、「精神保健福祉」の「定義」規定を検討した。本論において、「精神保健福祉」概念の基盤にある「福祉」と「精神保健」の関係の在り方を検討し、その位相を図表化して整理するとともに、新しい最広義の「精神保健福祉」概念のモデルを提示した。
著者
土屋 久 堀口 久五郎
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
no.32, pp.217-227, 2010

This paper reports on aspects of the healing deity Kanayamasama based on investigations on the islands of Hachijojima and Aogashima.Results are as follows:1) Kanayamasama is a deity that possesses an ambivalent nature with the power to curse and lift curses.2) Fujou caused by a curse is thought to cause illness on both islands. Because Kanayamasama possesses power to lift Fujou, she is revered as a healing deity.3) On both islands, shrine maidens play a large role in determining the character of Kanayamasama.In light of these findings, this study noted to need to understand health in terms of folk customs on both islands when discussing actual issues in the areas of medicine and welfare.カナヤマサマは、鍛冶屋のカミ、火のカミとして知られる民俗神であるが、本稿では、その治癒神としての側面を八丈島・青ヶ島での調査に基づいて報告し、両島における健康観の一端を考察した。その結果明らかになったのは、以下の点である。一、カナヤマサマは、呪詛の力を発揮するカミであるとともに、呪詛を祓うカミでもあるという両義的な性格を有すること。二、呪詛によって生じるフジョウが、病いの一因と両島では考えられており、それを祓う力をカナヤマサマが有するが故に、治癒神として祀られること。三、両島におけるカナヤマサマの性格形成には、ミコの果たす力が大きいこと。以上の点を報告した上で、両島の医療や福祉の分野に置ける現実的な課題を考えていくにあたり、両島が育んできた民俗レヴェルでの健康観に対する理解の必要性を指摘した。
著者
土屋 久 堀口 久五郎
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.217-227, 2011-03-01

This paper reports on aspects of the healing deity Kanayamasama based on investigations on the islands of Hachijojima and Aogashima.Results are as follows:1) Kanayamasama is a deity that possesses an ambivalent nature with the power to curse and lift curses.2) Fujou caused by a curse is thought to cause illness on both islands. Because Kanayamasama possesses power to lift Fujou, she is revered as a healing deity.3) On both islands, shrine maidens play a large role in determining the character of Kanayamasama.In light of these findings, this study noted to need to understand health in terms of folk customs on both islands when discussing actual issues in the areas of medicine and welfare.カナヤマサマは、鍛冶屋のカミ、火のカミとして知られる民俗神であるが、本稿では、その治癒神としての側面を八丈島・青ヶ島での調査に基づいて報告し、両島における健康観の一端を考察した。その結果明らかになったのは、以下の点である。一、カナヤマサマは、呪詛の力を発揮するカミであるとともに、呪詛を祓うカミでもあるという両義的な性格を有すること。二、呪詛によって生じるフジョウが、病いの一因と両島では考えられており、それを祓う力をカナヤマサマが有するが故に、治癒神として祀られること。三、両島におけるカナヤマサマの性格形成には、ミコの果たす力が大きいこと。以上の点を報告した上で、両島の医療や福祉の分野に置ける現実的な課題を考えていくにあたり、両島が育んできた民俗レヴェルでの健康観に対する理解の必要性を指摘した。
著者
土屋 久 堀口 久五郎
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.217-227, 2011-03 (Released:2011-03-24)

This paper reports on aspects of the healing deity Kanayamasama based on investigations on the islands of Hachijojima and Aogashima.Results are as follows:1) Kanayamasama is a deity that possesses an ambivalent nature with the power to curse and lift curses.2) Fujou caused by a curse is thought to cause illness on both islands. Because Kanayamasama possesses power to lift Fujou, she is revered as a healing deity.3) On both islands, shrine maidens play a large role in determining the character of Kanayamasama.In light of these findings, this study noted to need to understand health in terms of folk customs on both islands when discussing actual issues in the areas of medicine and welfare.カナヤマサマは、鍛冶屋のカミ、火のカミとして知られる民俗神であるが、本稿では、その治癒神としての側面を八丈島・青ヶ島での調査に基づいて報告し、両島における健康観の一端を考察した。その結果明らかになったのは、以下の点である。一、カナヤマサマは、呪詛の力を発揮するカミであるとともに、呪詛を祓うカミでもあるという両義的な性格を有すること。二、呪詛によって生じるフジョウが、病いの一因と両島では考えられており、それを祓う力をカナヤマサマが有するが故に、治癒神として祀られること。三、両島におけるカナヤマサマの性格形成には、ミコの果たす力が大きいこと。以上の点を報告した上で、両島の医療や福祉の分野に置ける現実的な課題を考えていくにあたり、両島が育んできた民俗レヴェルでの健康観に対する理解の必要性を指摘した。