著者
堀口 哲生
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.58-66, 2021-01-07 (Released:2021-01-07)
参考文献数
44

国際競争の激化,製品ライフサイクルの短縮化の中で,企業は自らの既存の資源・能力を活用した漸進的な製品イノベーションだけでなく,新しい資源・能力の探索を伴う急進的な製品イノベーションを達成することがますます求められている。しかし,急進的な製品イノベーションには非常に高いリスクや不確実性が伴い,その実現は困難である。その中で,多くのマーケティング・経営学者は,急進的な製品イノベーションを促進・阻害する要因についての研究を行ってきた。とりわけマーケティング学者は,マーケティング組織の活動が,急進的な製品イノベーションを促進・阻害するのかという課題に対して多くの関心を向けてきた。本論の目的は,マーケティング組織の活動と急進的な製品イノベーションの関係について検討した既存研究をレビューし,その知見を整理することである。具体的には,マーケティング組織と急進的な製品イノベーションの関係に着目した2つの研究潮流をレビューした上で,マーケティング組織が急進的な製品イノベーションに如何に関与するべきなのかについて既存研究の知見を整理する。その上で,この研究領域における将来の研究余地を指摘する。
著者
堀口 哲生
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-15, 2019 (Released:2019-05-31)
参考文献数
82

企業間競争の激化等の要因により,企業は技術的・市場的に新規性の高い新製品を以前よりも頻繁に導入することが求められている。このような新規性の高い新製品開発においては,新製品開発者が如何に正しい判断を行えるかという点が大きな課題となる。本研究では,先行研究,統計分析の結果をもとに,戦略的状況における意思決定の行われ方として,分析的判断,直観的判断,連想的判断の3つが存在することを明らかにした。その上で,技術的・市場的に新規性の高い新製品開発において,どのような意思決定がより有効なのかについて明らかにした。