著者
堀江 健一 前野 義春 大澤幸生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.114, pp.15-22, 2006-11-06

目に見える動態的な出来事は、時として観察された出来事の背景に潜む潜在的な構造によって理解される場合がある。そのような潜在的な構造は、ダーク・イベントと呼ばれる目に見えない出来事で構成される。このようなダーク・イベントを可視化し解釈するために、人とデータとの双方向な解釈によりデータを金属のように焼きなまし、結晶化させる"Human-interactive annealing"という手法を開発した。この研究では、"Human-interactive annealing"の手法を用いて。特許技術のデータに潜む潜在的な技術構造から特許技術の新たなシナリオを抽出する事例を紹介する。Latent structure behind observation often plays an important role in the dynamics of visible events. Such latent structure is composed of invisible events named dark event. Human-interactive annealing is developed to visualize and understand dark events. This paper presents application of the human-interactive annealing for extracting new scenarios for patent technology from latent technology structure behind current patented technology.
著者
堀江 健一 大澤 幸生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.546, pp.7-12, 2006-01-17

企業において市場における顧客の需要を把握し、その需要を満足させる製品の開発を行う事が使命であり、企業が継続的に競争力を維持するためにも重要な活動である。弊社においても、取り扱っているリニアCCD表面欠陥装置に関する重要な顧客を訪問しながら要望を聞きだし社内においてその要望を満足させる製品の開発について日々議論をしている。しかしながら、顧客訪問後の営業報告者などのテキストデータに基づいて営業マネージャーや担当者が議論をしても具体的な製品開発に中々結びつかないという課題がある。その課題を解決するために、チャンス発見の二重螺旋のプロセスを取り入れ、グループディスカッションを試みが、KeyGraphで処理したグラフ図のコンテクストを解釈し、新たなシナリオを創発することができなかった。その為、KeyGraphにて出力されたグラフに現れた欠陥の近傍に対象となる写真を貼付するシナリオマップを作成したところ、コンテクストの解釈が容易になり質の高い新たなシナリオを抽出することができ、実務的な成果として新たに5件の特許申請を行うことができた。本研究では、このような新たなシナリオが抽出されたプロセスにおける特徴を分析し、そのメカニズムについて考察した。