著者
堀田 創 野澤 貴 萩原 将文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1491-1501, 2007-03-15
被引用文献数
2

本論文では感性ルールベースを用いた日本語フォント自動作成システムを提案する.提案手法は様々なデザインのフォントを自動生成することを目的としている.フォントは,各文字の骨格情報に,太さなどのパラメータによる肉付けが行われることで生成される仕組みとなっている.また,ユーザの入力には感性語を用いる.感性語とフォントデザインの対応は,各フォントに対する印象がファジィルールとして保存されている.これらはアンケートによって得られた感性情報を解析することで構築される.感性の反映には,遺伝的アルゴリズムを用いている.これにより,フォントは世代が進むにつれてユーザの入力した感性語に合った形状となり,ユーザは要求したイメージに近いフォントを手軽に作成することが可能となっている.本システムは従来のシステムを大幅に改良したものである.まず使用可能な漢字の文字数が72 文字から6 355 文字へ拡張されている.また感性の反映に感性ルールベースが適用され,ユーザの入力に対してより適切なフォントが出力されるようになった.ユーザインタフェースは従来のようなスタンドアローンアプリケーションからWEB アプリケーションへと移行され,通常のブラウザから使用可能となっている.被験者による評価実験により,提案システムと従来システムとの,出力されたフォントに対する感性反映度および多様性の比較を行った.その結果,提案システムの有効性が確認されている.In this paper, we propose a Japanese font designing system using fuzzy-logic-based Kansei rule base. With this system, a user can easily create favorite fonts by inputting some words. A main idea of the proposed font design method is the addition of various effects to basic font skeleton data. In order to determine the design effects, the proposed system employs fuzzylogic- based Kansei database and it derives the desired design effects from the input impression words. The following three points is the improvement from the conventional system. First, the number of Kanji characters is increased from 72 to 6,355. Second, a Kansei database is prepared using the automatic rule creating method for Kansei data. Third, a user interface is improved. According to the experimental results, we confirmed that the new system excels the conventional one in respect of reflection of desired impression and the variety of the created fonts.
著者
堀田 創 野澤 貴 萩原 将文
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1491-1501, 2007-03-15

本論文では感性ルールベースを用いた日本語フォント自動作成システムを提案する.提案手法は様々なデザインのフォントを自動生成することを目的としている.フォントは,各文字の骨格情報に,太さなどのパラメータによる肉付けが行われることで生成される仕組みとなっている.また,ユーザの入力には感性語を用いる.感性語とフォントデザインの対応は,各フォントに対する印象がファジィルールとして保存されている.これらはアンケートによって得られた感性情報を解析することで構築される.感性の反映には,遺伝的アルゴリズムを用いている.これにより,フォントは世代が進むにつれてユーザの入力した感性語に合った形状となり,ユーザは要求したイメージに近いフォントを手軽に作成することが可能となっている.本システムは従来のシステムを大幅に改良したものである.まず使用可能な漢字の文字数が72 文字から6 355 文字へ拡張されている.また感性の反映に感性ルールベースが適用され,ユーザの入力に対してより適切なフォントが出力されるようになった.ユーザインタフェースは従来のようなスタンドアローンアプリケーションからWEB アプリケーションへと移行され,通常のブラウザから使用可能となっている.被験者による評価実験により,提案システムと従来システムとの,出力されたフォントに対する感性反映度および多様性の比較を行った.その結果,提案システムの有効性が確認されている.
著者
堀田 創 野澤 貴 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.347-356, 2008-06-15
被引用文献数
1 1

本論文では,位置情報に基づく新しいインターネット広告システムを提案する.インターネット上の広告システムは,一般的に効果の高いと考えられるユーザに対して広告を配信するものが望ましい.本研究では,広告効果向上の方法の一つとして,位置情報を根拠とする方式を提案している.位置情報に基づくインターネット広告配信は,ターゲットとしたい地域から近い位置に居るユーザに広告を配信することで実現される.しかしながら広告の効果的な範囲は地域ごとの特性および広告の質によってそれぞれ異なり,それらを詳細に広告主が指定するのは極めて困難である.その結果,産業界における実現可能性が非常に低くなるという問題がある.提案システムは,ニューラルネットワークにより自動的に広告の効果的な範囲を推定し,それを配信アルゴリズムに組み込むことで広告主に負担をかけない広告配信を可能としている.このシステムは携帯電話用の広告配信として利用され,現在も実際に運用されている.検証実験の結果,広告の効果的な範囲の自動推定および,位置情報に基づく広告が有効であることが確認されている.
著者
堀田 創 萩原 将文
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.46-56, 2009-03-31

本論文では,人間関係ネットワークに基づく情報推薦システムの提案とその実装について述べる.提案システムは,(1) ユーザプロファイル構築,(2) アイテム選択,(3) プリファレンス情報の更新の 3 つのアルゴリズムから構成されている.(1) ではプリファレンス情報と人間関係ネットワークに基づいてユーザプロファイルが構築され,(2) でユーザプロファイルに基づいたアイテム選択が行われる.プリファレンス情報はユーザへのアイテム提示およびクリックを基にした情報であり,(3) においてシステムへのアクセスログが参照され更新される.実装においてはアクセスログの処理および 2 段階のアイテム選択がバックエンドプロセスとして行われることで,オンラインでの計算量の軽減を図っている.また実装されたシステムは広告配信システムとして実際の Web サービス上で運用された.評価実験では,ランダムな広告配信と比較し 1.9 倍の推薦効果が得られた.This paper describes the design and implementation of a recommender sytem using social networks. The proposed system consists of the following three algorithms; (1) Construction of user-profile; (2) Filtering items by profile data, (3) Updating preference data. In (1), user-profiles are constructed based on preference data and social networks. In (2), one item is selected by using constructed user-profile. Preference data are generated from behavior logs, updated in (3). The proposed system has been implemented as an advertisement delivery system. To reduce the calculation cost in one session, processes of log analysis and item selection are previously performed as backend processes. According to experimental results, the efficacy of the proposed system was 1.9 times higher than that of randomly delivering.