- 著者
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堀部 要子
- 出版者
- 一般社団法人 日本LD学会
- 雑誌
- LD研究 (ISSN:13465716)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.3, pp.206-223, 2021 (Released:2021-12-23)
- 参考文献数
- 30
小学校全体で通常の学級に在籍する全児童にスクリーニングテストを行い,その上で学習面の困難さを示す児童を毎週1回15分間教室から取り出し,国語・算数に関する基礎的な内容の学習支援を実施した。その結果,国語の単語聴写課題とカタカナ聴写課題に有意な正の変容が認められるとともに,学習支援を行った取り出し群において有意な得点の上昇が認められ,指導の効果が示された。事後アンケートの記述からは,教師と対象児が学習支援を肯定的に捉えていることと,取り出しに際して本人と周囲の児童への配慮が必要であることが確認できた。また学習支援の実施に伴う校内支援システムについて検討した結果,システム構築過程と運用過程での役割分担,取り出しを行う時に必要な配慮,コーディネーター会議の有用性,校長およびミドルリーダーの関与の在り方が示された。最終的にスクールワイドの学習支援を実施するための校内支援システムの要件を8点に整理した。