著者
前田 英作 南 泰浩 堂坂浩二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.624-640, 2006-06-15
被引用文献数
17

私たちの身近にいつも寄り添い,見守り,そっと支えてくれる存在,かつて私たちはそれを「妖精・妖怪」と呼んでいた.物質的な利便性より精神的な安定と豊かさを追うべきこれからの時代に,情報科学技術が取り組むべき課題はこの妖精・妖怪の復権である.本論文では,それを新しい「環境知能」と呼ぶ.復権すべき妖精・妖怪の世界とは何か,情報科学技術との接点は何か,それにより実現される生活様式は何かについて論じるとともに,環境知能の実現に向けて今後取り組むべき具体的課題を提起する.
著者
前田 英作 南 泰浩 堂坂浩二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.624-640, 2006-06-15

私たちの身近にいつも寄り添い,見守り,そっと支えてくれる存在,かつて私たちはそれを「妖精・妖怪」と呼んでいた.物質的な利便性より精神的な安定と豊かさを追うべきこれからの時代に,情報科学技術が取り組むべき課題はこの妖精・妖怪の復権である.本論文では,それを新しい「環境知能」と呼ぶ.復権すべき妖精・妖怪の世界とは何か,情報科学技術との接点は何か,それにより実現される生活様式は何かについて論じるとともに,環境知能の実現に向けて今後取り組むべき具体的課題を提起する.
著者
安田 宜仁 堂坂浩二 相川 清明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.11, pp.73-78, 2001-02-02
被引用文献数
6

本稿では,音声対話システムにおいて,効率良く確認を行う対話制御法を提案する.本手法はタスク毎にルールを記述することを必要としないので,タスクの変更の際の手間を減らすことができる.従来,自動的に効率的な確認手順を決定する方法では,システムが受け付け可能なユーザ要求の種類は1つに限定されていた.本手法では,ユーザ要求の種類が複数ある(たとえば,予約,確認,取消など)ような場合でも利用可能である.本手法は各ユーザ要求確認終了までの期待ターン数と,理解状態に対するユーザ要求の確率分布を利用して,対話終了までのやりとりの回数を小さくするような確認手順を選択する.計算機上で模擬ユーザとの対話による実験を行い,タスクに依存したルールを記述しなくても効率的に動作することを示す.This paper describes a dialogue control method for efficient confirmatation in spoken dialogue systems. This makers easier to change a task, because our method doesn't need to write task-dependent rules for each task manually. In previous works, there was a limitation that the system can accept only one type of user query. Our method can apply to systems which can accept more than one type of user query(e.g. reservation, confirmation, cancellation, etc.). Our method computes the expected number of turns that are taken to confirm each user query and the probability distribution of user queries estimated from system's understanding state. Based on the expected number of turns and the probability distribution, our method chooses the confirmation procedure that keeps the number of the whole dialogue turns small. Experiments with a simulated user model show that our method works efficiently without task-dependent rules.
著者
堂坂浩二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.768-778, 1994-05-15
被引用文献数
12

本稿では、日本語対話において待遇表現、受給表現、特定の文末形式を発話環境の下で適切に使用するための語用論的条件を解釈することにより、対話登場人物を指示するゼロ代名詞の指示対象を同定するモデルを提案する。このモデルでは、発話環境として、対話登場人物間の待遇関係、話者の視点、情報のなわぱりに関わる言語外情報を利用する。発話環境は、環壌のあり方を規定する制約の集含として表される。語用論的条件の解釈は、環境に含まれる制約を用いて語用論的条件を充足させることによって行う。この解釈プロセスによって、文に含まれるゼロ代名詞の指示対象が同定され、また、新たな制約が環境の中に導入されることもある。新たに導入された制約は、後続する文の解釈に役立てられる。このモデルは、対話ドメインに特有な制約を与えることにより、対話ドメインにおける行為やイベントの因果関係に関する膨大な量の知識に頼ることなく、対話登場人物を指示するゼロ代名詞の指示対象を同定できるという利点をもつ。