著者
塔村 真一郎
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.27-41, 2016-03-25 (Released:2016-03-28)
参考文献数
118
被引用文献数
3

近年の大規模木造建築物には,大断面の構造用集成材やCross-Laminated Timber(CLT)のような構造用木質材料の使用が不可欠である。構造用木質材料の強度性能を設計通り発揮させるためには,接着が適正に行われていることが前提となり,使用する接着剤も耐久性への信頼が高いものに限られる。構造用木材接着剤としては,長い間レゾルシノール系樹脂接着剤などが使われてきたが,近年水性高分子-イソシアネート系接着剤や,最近欧米では1液ポリウレタン接着剤も使われ始めている。これらイソシアネート基の反応をベースとした接着剤は,レゾルシノール系接着剤とは化学構造や物性が異なる。したがって,構造用木材接着剤の要求性能や評価法について再検討する必要があり,規格も各国で整備されつつある。そこで本稿では,現行の構造用木材接着剤に要求される接着性能に関する規格とその評価法について概説する。
著者
塔村 真一郎 亀田 恒徳 宮本 康太 松原 恵理
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

スズメバチは木くずを唾液で固めて巣を作ることから、スズメバチの唾液が木くずの接着剤として機能することに着目し、唾液中に含まれる有効成分を単離・同定することで、天然系の構造用木材接着剤を開発することを目的とする。入手できたキイロスズメバチ等複数種の巣を解体して内部構造を調べたところ、巣は多層構造となっており、各巣盤をつなぐ支柱は長さがどれもほぼ一定であること、また直下の巣盤の面積や重さに応じた支柱の径や本数で構成されていることがわかった。またキイロスズメバチおよびコガタスズメバチの成虫の唾液腺および巣から抽出した成分の単離・同定を試み、それらの接着性能について検討した。
著者
塔村 真一郎
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.27-41, 2016
被引用文献数
3

近年の大規模木造建築物には,大断面の構造用集成材やCross-Laminated Timber(CLT)のような構造用木質材料の使用が不可欠である。構造用木質材料の強度性能を設計通り発揮させるためには,接着が適正に行われていることが前提となり,使用する接着剤も耐久性への信頼が高いものに限られる。構造用木材接着剤としては,長い間レゾルシノール系樹脂接着剤などが使われてきたが,近年水性高分子-イソシアネート系接着剤や,最近欧米では1液ポリウレタン接着剤も使われ始めている。これらイソシアネート基の反応をベースとした接着剤は,レゾルシノール系接着剤とは化学構造や物性が異なる。したがって,構造用木材接着剤の要求性能や評価法について再検討する必要があり,規格も各国で整備されつつある。そこで本稿では,現行の構造用木材接着剤に要求される接着性能に関する規格とその評価法について概説する。