著者
塩谷 芳也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.157-169, 2014

Th purpose of the study is to examine the impact of received social support on the mental health of victims of the Great East Japan Earthquake. An Internet survey was conducted on September 9, 2011. Participants were victims of the disaster aged 18-69 years who lived in Miyagi prefecture (N=1,000). Depression was measured using the Japanese version of K6. Types and times of social support received within one month from the earthquake were measured. Samples were divided into lightly damaged victims (n=781) and severely damaged victims (n=219). Statistical analyses showed that cases who received "psychological encour-agement" tend to have depression after half a year of the earthquake only in the case of lightly damaged victims. Controlling for stressful events such as the death of family members and depression in the one month following the earthquake, psychological encouragement maintained a significant effect on depression for half a year from the earthquake. The mechanism that produced this correlation was explained in terms of the ambiguous and unstable identity of lightly damaged victims of the disaster.
著者
塩谷 芳也
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.63-73, 2021-03-31

本研究の課題は,日本における成人の性行動とパーソナリティの関連性を解明することである。日本全国に居住する20–59 歳の男女を対象に,2019 年9 月にWeb 調査を実施し,性交経験人数とビッグファイブによるパーソナリティ(外向性,協調性,勤勉性,神経症傾向,開放性)を測定した(N=300)。性交経験人数を従属変数,ビッグファイブを独立変数として,年齢,教育年数,個人収入をコントロールしながら男女別に重回帰分析を行った。その結果,男性では,外向性と協調性が性交経験人数に対して有意な効果を持ち,外向性が高いほど,また協調性が低いほど性交経験人数が大きくなる傾向が見られた。しかし,女性ではいずれのパーソナリティも有意な効果を示さなかった。これらの結果について,先行研究と比較しながら議論を行った。
著者
塩谷 芳也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.65-80, 2010-03-31 (Released:2010-10-03)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究では地位志向の強弱に関する個人差を職業的地位の構成イメージによって説明する.地位志向とは社会的評価の高い職業や高い地位に就くことを重要視する価値意識である.職業的地位の構成イメージとは,職業の社会的地位の全体像に関する個人の認知である.個人が持つ職業的地位の認知について検討することの意義は,職業威信スコアのような社会的地位尺度を構成することだけではない.従来の階層意識研究では,職業や社会階層に関する個人の認知が説明変数として着目されることは稀であったが,職業的地位の認知を検討することによって社会階層をめぐる個人の意識をよりよく説明できる可能性がある.本研究はその一例を示すものである.職業的地位の構成イメージを捉えるため「自由測定法」という新たな測定法を開発し,それを用いて実施された「職業と社会に関する仙台市民意識調査(仙台調査)」データを分析した.その結果,以下の4点が明らかになった.(1)個人が持つ職業的地位の構成イメージは,小分類レベルの個別の職業ではなく複数の職業の束を単位として形成されている.(2)職業的地位が何段階に分かれているかについては人びとのあいだにコンセンサスは存在しない.(3)職業の社会的地位を細かく多段階に区別して認知する人びとほど地位志向が強い.(4)職業間の社会的地位の上下差に関する認知は地位志向とは無関連である.
著者
塩谷 芳也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.157-169, 2014-03-17 (Released:2017-02-28)

Th purpose of the study is to examine the impact of received social support on the mental health of victims of the Great East Japan Earthquake. An Internet survey was conducted on September 9, 2011. Participants were victims of the disaster aged 18-69 years who lived in Miyagi prefecture (N=1,000). Depression was measured using the Japanese version of K6. Types and times of social support received within one month from the earthquake were measured. Samples were divided into lightly damaged victims (n=781) and severely damaged victims (n=219). Statistical analyses showed that cases who received "psychological encour-agement" tend to have depression after half a year of the earthquake only in the case of lightly damaged victims. Controlling for stressful events such as the death of family members and depression in the one month following the earthquake, psychological encouragement maintained a significant effect on depression for half a year from the earthquake. The mechanism that produced this correlation was explained in terms of the ambiguous and unstable identity of lightly damaged victims of the disaster.
著者
塩谷 芳也
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
no.38, pp.63-73, 2021-03-31

本研究の課題は,日本における成人の性行動とパーソナリティの関連性を解明することである。日本全国に居住する20–59 歳の男女を対象に,2019 年9 月にWeb 調査を実施し,性交経験人数とビッグファイブによるパーソナリティ(外向性,協調性,勤勉性,神経症傾向,開放性)を測定した(N=300)。性交経験人数を従属変数,ビッグファイブを独立変数として,年齢,教育年数,個人収入をコントロールしながら男女別に重回帰分析を行った。その結果,男性では,外向性と協調性が性交経験人数に対して有意な効果を持ち,外向性が高いほど,また協調性が低いほど性交経験人数が大きくなる傾向が見られた。しかし,女性ではいずれのパーソナリティも有意な効果を示さなかった。これらの結果について,先行研究と比較しながら議論を行った。
著者
塩谷 芳也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.349-356, 2018 (Released:2019-09-28)
参考文献数
6

本研究の目的は,大学生の就職活動における内定取得時期に対するソーシャルスキルの効果を解明することである.企業への就職を希望する大学3年生を対象に,ウェブ調査によって就職活動の前後でパネル調査を行った.2014年1月にソーシャルスキル(KiSS-18)を測定し,同年12月に最初の内定取得時期を測定した.イベントヒストリー分析を用いて,大学の偏差値やアルバイト経験,出身階層等を統制して分析した結果,女子(n=294)ではソーシャルスキルが高いほど早期に内定を得る傾向が見られたが,男子(n=109)では無関連であった.ソーシャルスキルの効果の男女差は,大卒労働市場において男女が異なる評価基準で選抜されている可能性を示唆している.対人コミュニケーションにおいて女子は男子とは異なる役割を期待され,その役割遂行の巧拙によって女子のあいだに就職の格差が生じている可能性がある.
著者
塩谷 芳也 金澤 悠介 浜田 宏
出版者
Japanese Association For Mathematical Sociology
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.243-258, 2012

日本における階層研究の文脈では, 階層帰属意識をめぐる研究が盛んであり, 数理モデルを用いた理論的研究と, 統計分析を用いた実証的研究という2つの方法論的アプローチが邂逅する重要なフロンティアとなっている. 本研究の目的は, 階層帰属の生成過程を説明する数理モデル(FKモデルと理論的に等価な座標対順序モデル)の経験的妥当性をビネット調査により検証して, 理論研究と実証研究の統合的な発展を目指すことにある. 具体的には, 学歴, 職業, 収入の3次元を組み合わせた架空の階層プロフィール(ビネット)の総合的な社会的地位を被調査者に回答してもらい, 理論モデルの予測と照合した. 分析の結果, 座標対順序モデルは支持されず, 階層プロフィールの地位評価に関しては, 対象ビネットの収入が特に大きな正の効果を持ち, 学歴や職業は微弱な効果しか持たない, という知見が得られた. 一方, 従来の社会調査にもとづく実証研究では, 学歴, 職業, 収入のいずれもが階層帰属意識に対して中程度の正の効果を持つことが知られている. 従来の知見と部分的に異なる本研究の知見は, 自己の地位評価と他者の地位評価には, それぞれ異なるメカニズムが働いている, という可能性を示唆している. .