著者
平田 圭 増田 利隆 松本 義信 長尾 光城 長尾 憲樹 松枝 秀二 守田 哲朗
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.341-345, 2000-12-25

運動を行う時間帯の違いが脂肪燃焼に与える影響について明らかにすることを目的として検討を行った.1.静脈血および指頭血の血中遊離脂肪酸(FFA)濃度の関係について被験者は, 健康な一般成人女性20名(平均年齢21.7±0.9歳)とした.早朝空腹時, 座位安静状態において静脈血, 指頭血の順に採血を行い, 血中FFA濃度を測定した.全被験者の静脈血FFAおよび指頭血FFAの間に有意な正の相関(r=0.813,p<0.001)が認められ, 血中FFA濃度の定量が指頭から採取した血液で可能であることが明らかとなった.2.空腹時および朝食・昼食摂取2時間後の運動中の呼吸商(RQ)および血液性状の変化被験者は, 健康な一般成人女性5名とした.運動は自転車エルゴメータを用い, 60%VO_<2max>の運動強度で30分間行った.運動実施時刻は, 空腹時9 : 00a.m.(空腹時運動群), 朝食摂取2時間後(朝食後運動群), および昼食摂取2時間後(昼食後運動群)の3回とした.運動中の酸素摂取量(V0_2), 呼吸商(RQ)を測定した.採血は安静時(0分), 運動開始20分後, 25分後, 30分後の計4回行い, 血糖値, 乳酸値, 血中FFA濃度を測定した.空腹時運動群のRQは運動開始20分値, 25分値がそれぞれo.83±0.13,0.84±0.12であり3詳聞で最も低値を示した.しかし, 運動開始30分後では昼食後運動群が空腹時運動群と同じ値となった.空腹時運動群の血中FFA濃度は運動中に増加傾向を示した.昼食後運動群の血中FFA濃度は安静時(0分)において朝食後運動群より低値であったが, 運動開始後増加し, 30分後には朝食後運動群より高値となった.以上の結果から, 空腹時, 朝食摂取2時間後, 昼食摂取2時間後の3条件において30分間運動を実施する場合, 昼食摂取2時間後における運動開始30分後に空腹時と同様に脂肪燃焼が亢進することが明らかとなった.
著者
"柳井 玲子 増田 利隆 喜夛河 佐知子 長尾 憲樹 長尾 光城 松枝 秀二"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.109-119, 2006
被引用数
2 or 0

"日本人若年男性37名,女性174名を対象に,実測した基礎代謝量を基準にしてタイムスタディ法で算出したエネルギー消費量と,食物摂取頻度調査(FFQg)より得られたエネルギー摂取量との差を△エネルギー量として,食事量の過小・過大評価の実態と要因について検討した. 本研究では,若年男女ともに,エネルギー摂取量はエネルギー消費量より有意に(p<0.01)低く評価された.エネルギー摂取量の過小・過大評価の平均値(△エネルギー量/エネルギー消費量×100)は男性-26±20%,女性-12±26%となっており,女性は男性よりも過小評価率が有意に(p<0.01)低かった.Body mass index(BMI)と △エネルギー量の間には,男女とも有意な(男性p<0.01,女性p<0.001)負の相関関係(男r=-0.463,女r=-0.360)がみられ,BMIが高値の者ほど食事量を過小に見積もっていた.また女性の「やせたい」という意識は食事量の過小評価量を有意に(p<0.01)大きくさせていた.同様に「体を動かす心がけ」という意識は女性の過小評価量を有意に(p<0.05)大きくさせていた.逆に「栄養バランス」を意識する女性は過小評価量が有意に(p<0.05)小さくなっていた.同様に「朝食を食べる」「欠食をしない」女性や「夕食時間を決めている」男性は,過小評価量が有意に(それぞれp<0.05,p<0.01,p<0.001)小さくなっていた.これらの結果から,食事量の過小・過大評価には身体的要因や社会的望ましさといった心理的要因と共に,食に関するライフスタイルが関わっていることが示唆された."