著者
尾崎 行生 大久保 敬 増田 順一郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

食用ハス(レンコン)肥大の日長反応感受部位を調査したところ,いずれかの葉で短日を感受すれば,根茎の肥大が起こることが分かった.低(赤色光/遠赤色光)比率のフィルムで被覆した栽培を行うと,長日条件下であっても根茎の肥大が促進された.短日処理開始2週間後には根茎の肥大反応が起こり始め,この反応にはジベレリンが関与している可能性が高いことが分かった.食用ハスの根茎は「休眠」を持ち,その「休眠」は低温によって打破されると考えられた.
著者
Nguyen Thi Lam Hai 比良松 道一 金 鐘和 増田 順一郎 大久保 敬
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.191-197, 2012 (Released:2012-04-17)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

ハカタユリの花は開花時には黄色であるが,一日で白色へ変化する.本性質を有し,さらにウイルス病を回避できる種子繁殖性品種の育成を目的に,ハカタユリ(♂)とその近縁種であるタカサゴユリ,テッポウユリ,およびシンテッポウユリ(♀)の種間交配をおこなった.交配 7 から 28 日後の発達中の子房の薄切片をショ糖 40 g・L−1,D マニトール 40 g・L−1,およびジェランガム 2.5 g・L−1 を含む MS 培地上で培養した.タカサゴユリ × ハカタユリおよびシンテッポウユリ × ハカタユリから雑種個体を得ることができたがテッポウユリ × ハカタユリからは得られなかった.順化した 179 個体中 79 個体は栽培 1 年以内に開花し,それらの花はハカタユリと同じ花色変化の性質を有していた.また,それらの内 28 個体はタカサゴユリが持つ多花茎性をも有していた.雑種個体は高い花粉稔性を示したが,それらの自家交配では成熟種子は得られなかった.