著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.328-332, 1996-03-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

カリフォルニア産あきたこまち,コシヒカリ,ササニシキの食味を,国内産米の同一品種を比較対照として,調査した.その結果,次のことが認あられた.(1) 理化学的特性においてカリフォルニア産米は,玄米の整粒が少なく,精白米の透光度が低く,タンパク質含量が低く,ヨード呈色度が大きかった.(2) カリフォルニア産米は精白米と炊飯米の外観が悪く,香りが悪く,粘りが弱く,その結果,総合評価が悪かった.(3) 供試したカリフォルニア産米の食味評価が低かった原因は栽培条件にあると考えられた.
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.95-104, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

機器分析による米の食味評価法が開発され実用化されている。しかし, 機器分析による米の食味評価が官能試験の食味評価に換えて利用できるか, それぞれの機器で得られた食味評価に相関があるか, などの客観的データに少ない。そこで, 近赤外分光法を利用した3機種と電磁波を利用した1機種を用い, 61種類の米の機器分析と官能試験とを行った。機器分析による食味評価と官能試験の総合評価との相関は低かった。したがって, これらの機器は食味評価として数値を示すほどの精度はなく, 食味別に米をグループ分けすることに用いるのが適当であった。各機器の食味評価値の間に互換性はなかった。機器分析法による米の食味評価の今後の発展のためには食味評価尺度の統一が不可欠である。