著者
山本 昭夫 野上 博志 大久保 隆志
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 21.73 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.37-42, 1997-11-28 (Released:2017-06-23)

地上デジタル放送方式として検討されているOFDM方式では、パイロット信号を用いた周波数軸上の等化が可能である。本報告では、パイロット信号を用いた周波数軸上の伝送路応答の補間手法として、sinc関数形のインパルス応答を持つFIRフィルタ、ステップ補間、線形補間、乗算器を用いない簡易形線形補間の各方式について、等化器出力信号のS/Iを比較した。欧州DVB-Tシステムの2Kモードを対象に、D/U=10dBの2波の時不変マルチパス伝送路のシミュレーションを行った結果、FIRフィルタを用いた方式が最も優れた特性が得られたが、ハードウエア規模を考慮した簡易形線形補間方式も、11μSの遅延波に対してS/I=26dB(受信C/N=30dB)の良好な性能が得られ、民生用機器への適用を考えると有効であることがわかった。また、FFT時の窓位置のずれの影響についても検討し、ガード期間方向へのずれに対しては、簡易形線形補間を用いた場合でも20サンプルずれ(FFT2Kモード時)程度まではほとんどS/Iの劣化がないことが明らかとなった。
著者
大久保 隆志
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

これまでの捜査の行き詰まりを打破し,新たな展望を見出すためには,従来の捜査手法を超えた新たな捜査を検討すべきであると言われている。しかし,これを我が国の刑訴法と整合的に接合するためには,新たな捜査と従来の捜査の適法性の共通基盤を見出す必要があるところ,その基盤は,結局のところ,従来から議論のあった「自己決定」と「利益衡量」の在り方に収斂されるように思われる。そうすると,新たな捜査は,自由な「自己決定」を害することなく,適正な「利益衡量」に支えられた捜査であることが前提となる。その意味において,「自己決定」と「利益衡量」とが,捜査を支える「指導理念」の中核的概念であると考えられる。