著者
林 祥子 児嶋 秀晃 水野 潔道 保浦 慶之 清水 麗子 茅田 洋之 井坂 光宏 庭川 要 大出 泰久
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.394-399, 2019-05-15 (Released:2019-05-15)
参考文献数
27

腎細胞癌(以下,腎癌とする)は血行性転移を来たしやすく転移部位として肺が最も多い.2002年9月~2015年3月に,腎癌根治術後に当科で切除した腎癌肺転移症例23例の治療成績と予後因子を検討した.5年無再発生存率は38.4%,5年生存率は91.3%であった.予後因子の解析では,区域切除または楔状切除症例は肺葉切除症例に比べて有意に予後良好であった(5年生存率100.0%/60.0%,P=0.01).腫瘍の主座では,末梢症例が中枢症例に比べ(5年生存率100.0%/77.8%,P=0.10),またDisease-free intervalでは24ヵ月以上の症例で予後良好な傾向を認めた(5年生存率100.0%/81.3%,P=0.11).腎癌肺転移は内科治療では根治が期待できないため,少数であるが無再発長期生存が期待できること,非担癌期間が得られることより,外科的切除の意義は高いと思われる.
著者
肺癌放射線治療計画用のリンパ節部位アトラス作成委員会 小宮山 貴史 板澤 朋子 玉置 幸久 西村 恭昌 中山 優子 伊藤 宏之 大出 泰久 楠本 昌彦 坂井 修二 鈴木 健司 渡辺 裕一 淺村 尚生
出版者
The Japan Lung Cancer Society
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.189-205, 2015
被引用文献数
1

肺癌の放射線治療ではCT画像に基づく三次元放射線治療計画が行われており,リンパ節部位の照射野設定は重要である.現在の肺癌取扱い規約のリンパ節マップはInternational Association for the Study of Lung Cancer(IASLC)mapに準拠したものである.放射線治療計画においては,CTの連続横断像を用いてリンパ節部位を設定する必要がある.そこで,日本肺癌学会と日本放射線腫瘍学会と共同で,肺癌放射線治療計画のためのリンパ節部位のCTアトラスを作成した.