著者
雨宮史織 高橋浩一 美馬達夫 吉岡直紀 大友邦
出版者
日本磁気共鳴医学会
雑誌
第42回日本磁気共鳴医学会大会
巻号頁・発行日
2014-09-11

【目的】自発的神経活動および認知機能異常とこれの治療による変化を低髄液圧症候群/脳脊髄液減少症患者において縦断的に評価する事。【方法】低髄液圧/脳脊髄液減少症患者の硬膜外ブラッドパッチ術施行直前及び手術一ヶ月後に安静時fMRIおよびworking memory課題を用いた認知機能評価を施行した。安静時fMRIは撮像タイミング補正、体動補正、空間的標準化、平滑化による標準的前処理の後に線形トレンド除去、低周波成分抽出(0.01-0.1 Hz)を行い同帯域での振幅の積分値を各全脳平均値で除して標準化し、自発的神経活動の指標とした(amplitude of low-frequency fluctuations, ALFF)。認知機能指標は2-back課題の正答率とした。これを回帰変数としてALFFの全脳線形回帰分析を行い両者に有意な相関のある領域を同定した。また交互作用検定により両者の相関に有意な縦断的変化があるか評価した。【結果】2-back課題の正答率は術後有意に改善した(p < 0.05)。全脳解析では認知機能指標と楔前部のALFFに正の相関、右内側前頭前皮質/前部帯状回、両側眼窩前頭皮質のALFFに負の相関が見られた(多重比較補正後p < 0.05)。右内側前頭前皮質/前部帯状回、両側眼窩前頭皮質におけるALFFと認知機能指標の負の相関は術後有意に低下した(p < 0.05)。【結論】task-positive networkにおけるALFFと認知機能指標には健常者にて正の相関がある事が知られるが、本術前患者では両者の関係は反転しており、認知機能障害の強い患者でtask-positive networkであるfrontoparietal control systemにおける異常な自発的神経活動の上昇およびdefault mode networkでの神経活動低下が示唆された。認知機能障害とtask-positive networkでの相関は術後の認知機能の回復にともなって減弱ないし反転しており、正常化が示唆された。これらは脳脊髄液減少下における機械的圧排/浮力低下に伴う前頭葉底部での異常神経放電が、可逆性認知機能障害の原因となるという仮説を支持するものである。
著者
大友 邦子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_78-1_83, 2021

<p>本作品群は、国内でも稀有な規模で多様な繊維関連事業者が集積する群馬県桐生市で実施された、繊維製品(ストール類)ブランド化事業の試作開発事例である。本論は、当該事業のデザイン提案から製品試作までの展開を主題としている。前年度に実施された同産地の調査事業の結果から課題傾向を考慮し、事業者独自の技術の強みの活用、集積型産地ならではの協働的生産を試行する提案が目的に掲げられた事業であった。本事業では地域内外の人材で組織された専門委員会によって、世界でも同市内の鳴神山のみで自生する、絶滅危惧種植物のカッコソウがキービジュアルに選定された。統括的な産地ブランディングへの初段階として、複数事業者との実験的な製品試作を実施し、筆者は8製品の図案と色調を設計した。その過程において各人材が解決に取り組むべき項目が把握された。本試作事業の実施結果から、今後の展開に向けた課題点を考察した。</p>
著者
根本 充貴 増谷 佳孝 野村 行弘 花岡 昇平 三木 聡一郎 吉川 健啓 林 直人 大友 邦
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.29-34, 2016-05-31 (Released:2016-11-30)
参考文献数
25

Machine learning algorithms are to analyze any dataset to extract data-driven model, prediction rule, or decision rule from the dataset. Various machine learning algorithms are now used to develop high-performance medical image processing systems such as computer-aided detection (CADe) system which detects clinically significant objects from medical images and computer-aided diagnosis (CADx) system which quantifies malignancy of manually or automatically detected clinical objects. In this paper, we introduce some applications of machine learning algorithms to the development of medical image processing system.
著者
大友 邦子 山中 敏正
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.88, 2011 (Released:2011-06-15)

なぜ、人の手で描かれるゆらぎを含んだ線は、私たちをひきつけるのだろうか。テキスタイルデザインに包括されるプリントデザインは、繊維製品や生地にのせられる連続性のある図柄=パターンをデザインする領域である。 特筆すべきはその領域が工業デザインに類別されながらも、デザイナーのドローイングにはじまる点であろう。PCでのデザイン作成手法が主となっている現状に反し、手描線の表現性の高いパターンを特徴とするマリメッコ社が日本市場でめざましく台頭するなど、近年の消費者動向には手描き線ならではの「あたたかみ」あるパターンへの支持がみられる。こうした背景から、本研究では印象評価を用いて手描線特有の肯定的な素因を抽出することを目的とした。 試料は線の集合で構成されるストライプパターンを採用し、コンピュータソフトと手で描いたパターン双方を同被験者群に評価させた。日本と前述のマリメッコ社を主要繊維メーカーにもつフィンランド両国において、比較的調査実験を行った。結果手描線における評価は総じて好評価を得て、且つ両国それぞれに特徴的な嗜好傾向がみられる結果となった。