著者
臼井 敬太郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.60, 2011 (Released:2011-06-15)

1950年代後半から1960年代後半にかけて、良好な眺望を誇る日本各地の観光地において床面が旋回する回転展望台が数多く設置された。いずれも、その機能的特徴からシンボリックな形態となり、モダンデザインでまとめられている。山麓から索道あるいは鋼索鉄道で連絡される展望台は、モビリティーの延長線上にある展望装置としてもダイナミックさを演出するモダンなスタイルが適していたといえよう。このような形式の展望台として初の事例である京山八方閣は、運営する岡山電気軌道の設計による回転機構が組み込まれていた。展望室床下には、レールが円形に敷かれ、その上をドーナツ状の展望室床面を支える台車が走行する構造であった。後に開業していく大手鉄道会社運営による回転展望台に先駆けて、地方都市岡山で回転展望台が実現されたのは、路面電車を運行させる軌道敷設技術、限られた経営資源を創意工夫で加工する車両改良技術の集積が最大限生かされたゆえであった。
著者
沖田 実嘉子 竹末 俊昭
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.91, 2011 (Released:2011-06-15)

着物の生地に小紋、型友禅、ゆかたなどの柄や模様を染めるために「伊勢型紙」が使われてきた。江戸時代に紀州藩の保護を受けて鈴鹿市の白子と寺家を中心に飛躍的な発展を遂げ全国の生産量の99_%_を占めるに至った。しかし生活様式の洋風化による着物を着る人の減少、型紙が染色における一工程の用具であることで「伊勢型紙」の需要は減少し、型紙職人の高齢化や後継者不足も相俟ってその存続が危惧されるようになってきている。本研究では、型紙制作を別な工法で伝統工芸の良さに近づけるべく、既存のものと新しい技術で制作した型紙を用いて実際に染め上げたものを比較しながら再現の可能性を探る。
著者
阿部 卓弥 諏訪 悠紀 両角 清隆
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.131, 2011 (Released:2011-06-15)

実際の議論を分析した結果、議論には4つの段階があることが分かった。 各段階はそれぞれ、議題の共有、意見の発散、議論の収束、結論の共有である。 本研究の目的は非対面的議論の収束段階を支援するWebアプリケーションを開発することである。収束段階とは議論の4つ段階のうち3番目の段階であり、議論の中で抽出された選択肢の中から結論となり得る意見を選択する段階のことである。 議論から収束段階の問題を抽出し、アプリケーションの開発を行った。開発したアプリケーションを用いて、検証実験を行った結果、議論の収束段階において以下の2点が重要であることが分かった。 まず、議論の状態が意見を出す段階から、議論をまとめる段階に変化していることが明確に分かるということ。そして、結論となり得る意見の内容と数が明確であり、メンバーが理解できるということである。
著者
石田 貴昭 山崎 和彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.11, 2011 (Released:2011-06-15)

本研究はデザインプロセスにおいてよりスムーズなコミュニケーションのために視覚的効果の有効性を研究する。視覚化による新しいコミュニケーションの発見や従来のコミュニケーションを円滑に進める事が目的である。想定場面を最もコミュニケーションが重要視されるものづくりとする。さらにスピードという視点も考え、最もコミュニケーションに視覚化が有効に使われる方法を研究する。そして本研究を実際のデザインプロセスの中で活用する事を目的とする。
著者
鎌形 聡美 赤澤 智津子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.193, 2011 (Released:2011-06-15)

現在、地域キャラクターは全国で2000個以上あると言われている。地域キャラクターはイベントや団体によって活発に作り出されている。今まで一般のキャラクターについての研究は多々されてきたが、地域キャラクターの研究はあまりされてきてはいない。ゆえに、地域キャラクターの持つ特徴や一般キャラクターとの違いが明確になっていない。地域キャラクターは一般キャラクターとは違い、公的に作られることが多いため、作成の際には細心の注意が必要とされる。しかし地域キャラクター設定の際に、必要なルールやガイドラインは明確に定まってない。作成後に権利問題が起きたり、本来の目的と違った使われ方をしたり、記憶にのこらずに消滅してしまったり等の問題が発生する。地域キャラクターが、価値のあるものとして長く使用されるため、明確なガイドラインの設定が必要である。本稿は地域キャラクターの現状を調査し、地域キャラクターの使用状況や問題点を把握する。
著者
高野 悠人 齋藤 共永
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.130, 2011 (Released:2011-06-15)

本研究ではグループでのデザイン活動における発想を支援するツールを研究し提案することを目的とする。グループメンバー同士のコミュニケーションを促進し、メンバー間の情報共有を効果的にサポートするツールを目指す。デザインにおけるコミュニケーション・情報共有で重要なことは各個人のアイデアを単に集めて見せ合うだけではなく、それらのアイデアを関連づけ、統合して、より高度の『集合知』にまとめることである。ブレインストーミングやマインドマップでの考え方を応用しつつ、概念しか扱えないそれらの方法をビジュアルイメージを扱うことができ、デザインに応用することができるものを活動する。文献調査や観察実験をとおしてグループでの発表を支援する為に何が必要かを抽出し、それをもとに仮説をたて、プロトタイプを制作し、使用実験により有効性を検証していく。
著者
山本 早里 西川 潔
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.67, 2011 (Released:2011-06-15)

前報に引き続き、シェアード・スペースの理念と方法を把握し、日本において実現可能かどうか検討することを目的とし、本報では、欧米で展開されている多様な事例と、日本で始めてシェアード・スペースを実施した事例について現地調査を行った結果を示した。調査対象地はオランダのOudehaske、Drachten、ドイツのBohmte、ベルギーのOstende、イギリスのLondon、Brighton、Ashford、アメリカのSeattle、San Francisco、日本の京都である。調査の結果、舗装の方法、交通の誘導方法、ストリートファニチャなど、それぞれにおいて多様な手法が用いられていることが分かった。国も都市も規模も異なるため一様には比較できないが、標識が撤去または削減がなされていることは共通しており、歩行者・自動車・自転車ともに共存していることが明らかになった。
著者
西川 潔 山本 早里
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.66, 2011 (Released:2011-06-15)

シェアード・スペースは、道路を安全で人間主体の空間に改修するために標識をはじめ信号や路上マーキングを撤去するものであり、従来のサイン計画とは逆転の発想である。サインによる直接的な規制や指示を行うのではなく、メタサインともいうべき環境や景観、利用者どうしの連携が人のジェントルな行動を促すと考えた、シェアード・スペースの考案者モンダーマンの視点は、高次のサイン計画であるウェイ・ファインディング・デザインに通じる。本研究の目的は、シェアード・スペースの理念と方法を把握し、日本において実現可能かどうか検討することである。本報では、シェアード・スペースの概念、ボンエルフまたはリビング・ストリートとの相違、ドイツ・ボームテでの試行、ハンス・モンダーマンの経歴を論じた。
著者
東 大輔 亀井 宏晃 濱地 剛尚 石井 明
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.222, 2011 (Released:2011-06-15)

自動車のスタイリングは車体に働く空気抵抗や揚力といった空力性能と密接に関わっているため、エクステリアデザインの開発はデザイン性と空力性能を高い次元で融合させながら慎重に進める必要がある。中でも車体のリヤ周りの形状は空気抵抗低減に特に重要な部位の一つであり、車体の後端部をエッジに近い形状で切り落とすコーダ・トロンカと呼ばれるデザイン処理が有効とされている。我々はこれまでにもコーダ・トロンカ形状について、デザイン評価への影響度調査や風洞試験による空力性能評価を行っており、リヤクォーターパネルの張り出しなどの形状変更と比較してデザイン評価への影響度が小さいことや、ボデーサイドのリヤへの絞り込み具合によって空気抵抗低減効果が異なることなどを明らかにしてきた。本研究ではコーダ・トロンカの空気抵抗低減メカニズムを明らかにすべく、風洞試験と空力シミュレーション(CFD:Computational Fluid Dynamics)を用いて流れ場を詳細に分析し、コーダ・トロンカをデザインに盛り込む際の注意点や、車体リヤ周りに対する新たな空力デザインデバイス開発の手掛かりを探る。
著者
楊 洋 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.116, 2011 (Released:2011-06-15)

「中国結」は、一本の紐を多様に編むことによってつくられる中国の伝統的な装飾である。近年、急速に進む近代化を要因として、消失が危惧されている生活文化のひとつである。 本研究は、「中国結」の意匠的特質を把握し、その維持・継承へ向けた指針を導出することを目的としたものである。中国における「結び」の文化を再確認・再認識することを念頭におきつつ、調査・研究を実施した。 古文書などの文献調査をはじめ、江西省南昌市における職人や地域住民への聞き取り調査、質問紙調査を行い、次の事柄を明らかにした。(1)「中国結」は、大きく、「基礎結」「変化結」「組合結」の三種類に分類することができる。(2)「中国結」は春秋戦国時代(前770~前476年)以前、紐を「結ぶ」ことは、実用性のみが求められていたが、春秋戦国時代から「結び」に装飾性がみられるようになった。唐・宋時代 (618~1279年)は、「中国結」の第一流行期であるといえ、椅子や傘、服などに、「中国結」が施された様子を確認することができる。「万字結び」「綬帯結び」「団錦結び」「酢草結び」の「基礎結」はこの時代に生み出された「中国結」である。明・清時 代になると、人びとは「基礎結」を発展させた「変化結」や「組合結」を創出し、さらに「結び」の意味の範囲は広く、種類は多様になった、独特の風格を特徴として、多く の民衆に受け入れられ、中国の伝統的な吉祥物として、全国に広がっていった。(3) 道教・仏教・儒教・陰陽五行説など伝統的思想から吉祥を求める「中国結」の寓意内包が充実するとともに、さらに一層、人びとに親しまれるようになった。また、「結び」に使われる特定の色彩の組み合わせがみられることから、色と「結び」付いた意味などが含まれている場合も多い。いつの時代にあっても幸せな人生を歩むために、人びとは「結ぶ」という行為のなかに、さまざまな心の機微を込めてきた。(4)気持ちを込める媒体としての「中国結」人びとは、自身のさまざまな感情や思惟を「結び」に託して豊かに表現した。 伝統的な「中国結」の意味は、今日、中国の人びとに十分に理解されているとはいえない状況にある。時間をかけて育まれた中国の「結び」の文化を、中国で暮らす人びとが再認識・再評価し、次の世代へ継承していくために、教育現場での活用、実用的な生活 用具に応用することが重要である。
著者
高野 修治 佐藤 浩一郎 松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.34, 2011 (Released:2011-06-15)

サステナブルな社会の実現や新たな価値の創生に向けて,21世紀のデザインには,多様な場や価値観の時間軸変動への対応が望まれている.しかし,従来のデザインは,時間軸変動を考慮する方法論を有さないことから,結果として,多くの人工物が使用時間の経過に伴い価値を衰退させるに至っている.この現状を打破する方策として,場や価値観の多様性およびそれらの時間軸変動に対応する新たなデザインのパラダイムとして,タイムアクシス・デザインが提唱されている.本研究は,タイムアクシス・デザインを具現化する価値成長デザイン方法論の構築を目的とし, 本報では,包括的な視点からデザインを捉えることができる多空間デザインモデルに基づいた価値成長デザインのためのタイムアクシス・デザインモデルを提案する.
著者
山崎 友里江 蓮見 孝
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.161, 2011 (Released:2011-06-15)

現状の病院食は、患者の症例に合わせた数百食もの食事を用意するための作業コストや配膳時の都合により、見た目が損なわれている傾向がある。充実した食事を摂ることは患者にとって精神的健康に繋がるため、どのような状況下においても、おいしいと感じながら食事を摂ることができるような仕組みづくりをデザインの観点から行うことが望まれる。本研究では、病院食の見た目を損なう原因として、ここで使われている特殊なトレーの形状によって食器の配置が乱れていることに着目した。そこで、病院食のトレーの上に、パターンを施したシートを敷くことによって、トレー上の構成を美しくし、食事をおいしそうに見せるためのパターンデザインに取り組んだ。
著者
大友 邦子 山中 敏正
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.88, 2011 (Released:2011-06-15)

なぜ、人の手で描かれるゆらぎを含んだ線は、私たちをひきつけるのだろうか。テキスタイルデザインに包括されるプリントデザインは、繊維製品や生地にのせられる連続性のある図柄=パターンをデザインする領域である。 特筆すべきはその領域が工業デザインに類別されながらも、デザイナーのドローイングにはじまる点であろう。PCでのデザイン作成手法が主となっている現状に反し、手描線の表現性の高いパターンを特徴とするマリメッコ社が日本市場でめざましく台頭するなど、近年の消費者動向には手描き線ならではの「あたたかみ」あるパターンへの支持がみられる。こうした背景から、本研究では印象評価を用いて手描線特有の肯定的な素因を抽出することを目的とした。 試料は線の集合で構成されるストライプパターンを採用し、コンピュータソフトと手で描いたパターン双方を同被験者群に評価させた。日本と前述のマリメッコ社を主要繊維メーカーにもつフィンランド両国において、比較的調査実験を行った。結果手描線における評価は総じて好評価を得て、且つ両国それぞれに特徴的な嗜好傾向がみられる結果となった。
著者
林 宏樹 成田 康輔 伊藤 孝紀
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.108, 2011 (Released:2011-06-15)

本研究では、市民主体イベントを運営している大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワークを事例とし、イベント実施後の継続活動を整理し考察することで、継続活動の継続要因を明らかにすることを目的とする。本調査では大ナゴヤ大学の企画者のうち、市民主体イベントを通して市民から自発的に企画者へ移行したボランティアスタッフを調査対象とし、ボランティアスタッフ会議の追跡調査を行った。これにより、「ブログを活用した情報発信の充実」「既存の企画スタッフとの連携強化」「主体となって企画したイベントの実施、継続」が継続要因として明らかになった。これらを促進することで、市民主導のまちづくりへの展開や発展が期待できると考えられる。
著者
梅澤 朝樹 寺沢 秀雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2011 (Released:2011-06-15)

我々は自然原理を利用して「手渡し」を行う.例えば,ドロップの缶を振って相手の手の平にドロップを落とす「手渡し」は,重力を利用している.また,お菓子を卓上に滑らせて相手の手元に放る「手渡し」は,物体の直線運動を利用している. 自然原理を利用することは,「手渡し」の行為を単純化する事である.ドロップの例では,ドロップを1粒ずつ指で摘んで取り出す行為を省いている.お菓子の例では,椅子から降りて相手の元へ歩く行為を省いている.単純化された「手渡し」は,単一の目的を少ない手数で達成できると同時に,複数の目的も容易に達成できると言える. 一方,携帯端末の赤外線送信や,”iPhone”の”Bump”の場合,行為が単純化されておらず,手間がかかってしまう.このような情報送信のUIに自然原理を適用する事で,手間を省き,操作を単純化できると考えた. 本研究では,自然原理を利用した情報送信UIをデザインするために,自然原理を利用した「手渡し」を情報送信UIに適用させ,プロトタイプ作成を通じて,自然原理を利用した情報送信UIをデザインする際に配慮すべき要素を抽出する事を目的としている.
著者
安齋 利典 大矢 富保 粕谷 俊彦 磯西 徹明
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.7, 2011 (Released:2011-06-15)

「企業ウェブサイトにおけるデザイン最適化に関する研究-その2、3」(日本デザイン学会 第57回研究発表大会2010.07.04)でHCD:Human Centered Design(人間中心設計プロセス)と.ISMS:Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)をオフィシャルサイト構築の基本方針であることを述べた。 本報告では、コンテンツ配信の基礎基盤となるデザインされたコンテンツを支えるのがシステム・インフラであり、それを、安定、安全、安心に運用するために、PMO: Project Management Officeによるシステム・インフラ管理とCMSによるコンテンツ/デザインの管理、質の向上等について述べる。
著者
堀江 祐介 山崎 和彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.19, 2011 (Released:2011-06-15)

現在、電子書籍を使う人が増えてきている。電子書籍は機器ごとに使い方が違っている。そこで今回は電子書籍端末として様々なアプリが出されているiPadの電子書籍を対象にユーザビリティテストを行った。3つのアプリを対象に4人の被験者で実験を行った。もっともタスク実行時間が短かったのはiBooksである。次にi文庫HDで、最もタスク実行時間が長かったのはstanzaである。ユーザビリティ評価から以下の6つのことがわかった。1.ツールバーは常に表示する 2.メニューにはアイコンと文字の両方を使うことでわかりやすくなる 3.本のメタファーは適切に使用する 4.ユーザに適切なフィードバックを与える 5.視線の移動を少なくするUIにする 6.使用頻度に応じた情報構造にする
著者
永井 由美子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.6, 2011 (Released:2011-06-15)

本稿は2009年から行っている「写真を見ることのデザイン」授業実践を基にしている。授業では写真を楽しんでみるための道具のデザインを課題としており、学生自身の経験を基にデザイン案を提案している。ここでは次の7種類の表現を使っている。A作文を描く、Bシナリオスケッチを描く、C道具のアイデアスケッチを描く、E操作画面のシナリオスケッチを描く、F画面遷移図を描く、G機能リストを書く。これらの表現の難しいところは、次の3点である。1具体的な事例を描くこと、2自分の経験を描くこと、3シナリオスケッチを描き直すこと。ここで需要な点は、シナリオスケッチを描くことでありそこには、ユーザーの行為と思いが文字としても含まれている。これはスケッチなので何回も描くことが重要となる。