著者
大和正武 神代 知範 門田 暁人 松本 健一 井上 克郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
pp.73-78, 1999
被引用文献数
1

本研究では,視線とマウスを併用することでより効率のよい入力インタフェースの実現を目指す.その第一歩として,GUI上でのボタン選択操作を「ボタン上にカーソルを移動する操作(移動操作)」と「ボタンを押す操作(確定操作)」に分け,移動操作を視線で,確定操作をマウスで行う方式について検討した.適用実験の結果,視線によるカーソル移動は高速で,マウスのみによる選択操作よりも効率の良いことが分った.但し,操作対象となるボタンの大きさが1cm四方程度に小さい場合,視線のみでボタン上にカーソルを移動することは困難であり,視線による移動操作を補助する必要のあることも分った.
著者
大和 正武 門田暁人 高田 義広 松本 健一 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.613-622, 1999-02-15
被引用文献数
19

本稿では 視線によるテキストウィンドウの自動スクロール方式を提案し 提案方式による自動スクロールが可能なテキストブラウザを用いた評価実験の結果について述べる. 従来の視線を入力とするインタフェースでは 視線情報をポインティングデバイスの代替として利用しており メニューやアイコンの選択のために一時的にではあるが作業対象から視線を外す必要があった. これに対して提案する方式では ウィンドウ内での視線の移動に着目する. 作業者はウィンドウ内で視線を移動させるだけで 表示したいテキスト部分をウィンドウ中央部に移動させ 表示させた状態でスクロールを停止させることができる. 評価実験の結果から テキストのスクロールにより文字列を検索するという作業(タスク)においては 視線による自動スクロールはキーボード操作によるスクロールと比較して同程度かそれ以上に有効であることが分かった. この場合 ウィンドウ中央から注視点までの垂直方向の距離をスクロール速度に比例させる制御方式が 他の方式に比べ優れていることが確認できた.This paper proposes a method and implementation for a system to automatically scroll a text window by tracking where a user is looking at. A user of the system can access a portion of the displayed document without using keyboard or mouse. Existing eye-tracking methods, which use eye-gaze as a substitute for pointing devices, require a user to "look at" menus and icons to manipulate a window display. In contrast, our proposed method uses eye movement within a window to control its display. A position of a user's gaze within a text window determines how to scroll the window, what portion of the text to display, and where to stop. Our user study demonstrates that the effectives of scrolling using this method is as good as one with convetional keyboard control as respects string search by scrolling. In particular, we have found that a controlling mechanism to determine the speed of scrolling in terms of the distance of the gaze point from the center of the window was both qualitatively and quantitatively superior to other control mechanisms in the string search by scrolling.
著者
神代 知範 大和 正武 門田 暁人 松本 健一 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.722, pp.37-44, 2000-03-21
被引用文献数
6

本稿では, 計算機のGUIの操作効率の向上を目的として, ユーザの視線の動きとマウスを併用したGUI操作方法を提案する.対象とするGUI操作には, 日常的に行われる操作の一つである「ドラッグ&ドロップ操作」を選んだ.提案方式ではドラッグ&ドロップに含まれる操作を(1)選択対象であるアイコン付近への大まかなカーソルの移動, (2)アイコンへのカーソル位置の微調整, (3)アイコン選択の確定操作, の3つの基本操作に分け, (1)には視線を, (2)(3)にはマウスを用いる.さらに, (2)の微調整の方式としてAuto, Manual, SemiAutoの3方式を提案する.評価実験の結果, SemiAuto方式が従来のマウスだけの操作方式と同程度にミスが少ない上, より高速であることが分かった.
著者
大和 正武 門田暁人 松本 健一 井上 克郎 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1320-1329, 2001-06-15
被引用文献数
11

本稿では,一般的なGUI上でのターゲットのポインティング操作(ターゲットへマウスカーソルを移動し指し示す操作)に視線を利用することを目的として,ユーザの目の固視微動と視線の計測誤差の発生を考慮した3つのターゲット選択方式(Auto方式,Manual方式,SemiAuto方式)を比較検討する.(1) Auto方式では,ターゲットのサイズを仮想的に拡大する.(2) Manual方式では,ユーザが視線によるおおまかなポインティングを行った後で,ポインティング操作用デバイスをマウスに切り替える.(3) SemiAuto方式は,Auto方式とManual方式を組み合わせた方式である.一般的なGUIを想定した環境で評価実験を行った結果,SemiAuto方式による操作は従来のマウスのみを用いた操作に比べて,選択誤りを大幅に増やすことなく,操作時間は同程度かより短くなることが分かった.特に,非連続操作(カーソルの初期位置が不定の場合の選択操作)においては,操作時間を約2/3に短縮できた.The purpose of this paper is to increase the efficiency of pointingoperation --- an operation that moves and points a mouse cursor onto atarget item.We examined three pointing methods (Auto method, Manualmethod, and SemiAuto method) under the general GUI environment.By using the three examined methods, the computer user can select atarget even if jittery motions of user's eye and the measurementerror of an eye-tracking device occurred. (1) Auto method enlarges thetarget virtually. (2) Manual method switches the input device from theeye to the mouse after the user roughly pointed the target. (3)SemiAuto method is a method that combined Auto method and Manualmethod.The result of an experiment to evaluate three methods showedthat the efficiency of operation with SemiAuto method is same as orfaster than the mouse only operation without increasing errors largely.Especially, in the discontinuous selection situation (atarget selection whose cursor position is unpredictable), SemiAutomethod needed only about 2/3 of time of the mouse only operation.