- 著者
-
大塚 一路
西成 活裕
- 出版者
- 行動経済学会
- 雑誌
- 行動経済学 (ISSN:21853568)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.218-221, 2010 (Released:2011-06-27)
- 参考文献数
- 7
本研究はファイナンス理論の枠組みを用いて「人混みに値段をつける」ことを目標としている.そこで我々は混雑における人の満足度が顧客一人あたりに与えられるパーソナルスペースと同等であると仮定してサービス価値の変化を正味現在価値(NPV)法と呼ばれる資産価値評価理論によって評価した.また,新たな試みとしてサービスの価値(顧客の効用)が待ち時間の増加に伴って割引かれるという概念を導入し,空港の入国管理場で測定したデータに対する実証分析も行った.実証分析の結果から,今回導入した指標は待ち時間の増加やスペースの減少と連動して効用が小さくなる指標であることが確認された.