- 著者
-
宮内 信之助
下村 雅人
山内 健
大島 賢治
松本 洋一
迎 勝也
- 出版者
- 公益社団法人 高分子学会
- 雑誌
- 高分子論文集 (ISSN:03862186)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.5, pp.227-232, 2001-05-25 (Released:2010-11-22)
- 参考文献数
- 9
きのこ [マイタケ (Grifola frondosa: GF) ] の柄を粉末化し, それをアセトンと蒸留水で洗浄することによって, 少し透明感のある白色のGF粉末を得た. このGF粉末存在下で, 硝酸セリウム塩を開始剤として, 水溶媒でアクリルアミド (AAm) の重合を行った. 重合は温度を上げ, GF量を増加させると進み, 60℃で91%の重合収率を得た. 水に対する見かけの可溶化率を調べたが, アクリルアミドの重合がGFの可溶化を助けた. 洗浄前と洗浄後のGF, およびGFを水またはアセトンで洗浄した後の〓液, GF存在下でのGF-ポリアクリルアミド (PAAm) 複合物の水洗浄後の〓液について, 1HNMR測定を行った. その結果, アセトンによる洗浄では, 主として脂肪酸が抽出され, 糖質類は抽出されなかった. 一方, 水による洗浄では, α型の糖質類が抽出され, ポリアクリルアミドと複合化されてもβ型のものは抽出されにくかった.