著者
伊東 乾 大場 善次郎 藤原 毅夫 吉田 真 美馬 秀樹 松本 洋一郎 関村 直人 杉野 昇
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

3D可視化技術の技術教育応用を、以下の2点に整理して行った。1 立体視モニタなどの特殊な装置系を必要とするもの2 通常のネットワーク・コンピュータシステムでの教育情報の多次元表示1 については1-1 同一の情報を平面モニタと立体モニタで提示した際の、学習記憶、ならびに疲労については、どちらにも有為な差は見いだせなかった。1-2 「3D内視鏡」操作のように、現実に立体視を利用するシステムの学習については、装置系は決定的に重要 1-3 一般の技術/工学教育の実施に当たっては、幅広い普及などの観点からも情報の多次元表示(すなわち2)が有効 との結論にいたった。2については2-1 インテラクティブで可動性のある、平面モニタ上での情報構造の立体可視化システム(美馬エンジン)が、東京大学教養学部での情報教育で大きな効果を生み出した。2-2 次元の概念を、物理学における解析力学の「一般化座標」にならって拡大し、内部自由度の拡大と考えることで、平面(2D)モニタ上に教育情報の多次元表現を実現した。2-3 一般化された次元とは「色彩」「濃度」「網掛け」といった汎用性あるグラフィックの要素であり、これらをxml等のマークアップ言語で指定することで、工学教育における情報の効果的なオンデマンド多次元表現の一般的可能性があることを、「学習知識構造化」として試験実装することに成功した。
著者
松本 洋一郎 德永 保 吉川 潔 辰巳 敬 真壁 利明 橋本 周司 松尾 豊 坂田 一郎 上山 隆大 浦島 邦子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2014-04-01

シンガポールは一人当たりGDPではわが国を超え、大学ランキングでも台頭しているが、わが国における政策研究は限られていた。本研究では、シンガポールの科学技術政策(特にバイオメディカル推進策)について、文献調査や現地での専門家への聞き取り等によって明らかにした。シンガポールでは産業政策のために科学技術政策が実施されているといっても過言ではない。著名研究者を大量に誘致するなどし、旧来から行われてきた多国籍企業誘致を先端科学分野の研究開発へ拡充する形で、成功を収めてきている。大学政策においては、テニュア制度や会計、財務など、モデルとする米国の事例から徹底的に学ぶ姿勢が見られた。
著者
土肥 健純 松本 洋一郎 中村 耕三 久田 俊明 佐久間 一郎 波多 伸彦 中島 勧
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

(背景と目的)整形外科手術においては従来,皮膚および筋肉組織を切開した上で骨を切断していた.本研究では収束超音波を用いて皮膚に切開を加えず,非侵襲的に骨を切断するシステムの基礎研究を目的とする.(方法)システム開発の基礎的研究として,実際に豚の骨に収束超音波を照射する実験システムを構築した.脱気水を張った水槽内に豚骨を固定し,PZT素子を用いたトランスデューサから波形,振動周波数,素子印加電圧等の照射条件を変えながら骨表面が焦点になるように垂直に照射し,焦点部分に起こる変化を観察した.Finite Difference Time Domain Methodを用いたシミュレーションソフトウェアを開発した.豚骨表面におけるエネルギについて,シミュレーションで得られた値と開発したシステムによる実験値とを比較した.PZT素子の共振周波数に奇数倍の周波数を持つ正弦波を足し合わせた波である矩形波を入力波形として用い高音圧化を図った.また,トランスデューサを5個とし,各焦点を重ね合わせることでも音圧の上昇を図った.(結果と考察)焦点エネルギのシミュレーション値と実験値に関して約90%の一致率を得た.また,PZT素子に関してはトランスデューサ開口部が同じであれば曲率が大きいほど焦点音圧が高くなるという解析結果を得た.矩形波入力の場合の焦点音圧は正弦波入力の場合の3倍であり,2個のトランスデューサから豚の肩甲骨に照射したところ,直径1mm,深さ0.5mmの切削痕が得られた.5個のトランスデューサへの入力電力を各30W(合計150W)とし,音圧を測定したところ,1個のトランスデューサに30Wの電力を入力した場合に比べて1.65倍の音圧を得た.インピーダンスマッチングの改善により一層の高音圧化が可能であると考えられる.(結論)収束超音波による非侵襲骨切断のための装置を開発し,曲率の大きなPZT素子からなるトランスデューサを複数用い矩形波を入力することにより効果的な骨切断が可能であることが示された.
著者
金子 暁子 野村 康通 高木 周 松本 洋一郎 阿部 豊
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.78, no.786, pp.207-217, 2012 (Released:2012-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
8 19

Microbubble has distinguished characteristics of large surface area to unit volume and small buoyancy. Recently microbubble generators with low energy and high performance are required to wide applications. In the present study, we propose one new effective technique to generate tiny bubbles with less than 200μm diameter utilizing a venturi tube under high void fraction condition. The objective of the present study is to elucidate the mechanism of bubble breakup phenomena in the venturi tube and to clarify the effects of parameters which are necessary to realize an optimum system experimentally. Under low velocity condition, bubbles which were observed with a high speed camera parted gradually in a wide region. On the contrary under high velocity condition, bubbles expanded after passing through the throat and shrank rapidly. Since the speed of sound in gas-liquid system is extremely lower than that of single-phase flow, the bubble breakup phenomenon in the venturi tube is explained as the supersonic flow in a Laval nozzle. With rapid pressure recovery in diverging area, expanding bubbles collapse violently. The tiny bubbles are generated due to the surface instability of shrinking bubbles.
著者
宮内 信之助 下村 雅人 山内 健 大島 賢治 松本 洋一 迎 勝也
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.227-232, 2001-05-25 (Released:2010-11-22)
参考文献数
9

きのこ [マイタケ (Grifola frondosa: GF) ] の柄を粉末化し, それをアセトンと蒸留水で洗浄することによって, 少し透明感のある白色のGF粉末を得た. このGF粉末存在下で, 硝酸セリウム塩を開始剤として, 水溶媒でアクリルアミド (AAm) の重合を行った. 重合は温度を上げ, GF量を増加させると進み, 60℃で91%の重合収率を得た. 水に対する見かけの可溶化率を調べたが, アクリルアミドの重合がGFの可溶化を助けた. 洗浄前と洗浄後のGF, およびGFを水またはアセトンで洗浄した後の〓液, GF存在下でのGF-ポリアクリルアミド (PAAm) 複合物の水洗浄後の〓液について, 1HNMR測定を行った. その結果, アセトンによる洗浄では, 主として脂肪酸が抽出され, 糖質類は抽出されなかった. 一方, 水による洗浄では, α型の糖質類が抽出され, ポリアクリルアミドと複合化されてもβ型のものは抽出されにくかった.
著者
松本 洋一 久保田 周治 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.57, pp.57-63, 1994-05-20

本報告は,CMOS0.8μmマスタースライス(2V動作)を用い開発した,低消費電力化パーソナル通信用復調器LSIについて述べている。開発したLSIは,通信品質の改善および消費電力の低減を図るため新たに以下の方式を用いている。(1)π, 4位相回転操作にキャリアフィルタ帯域が可変な逆変調キャリア再生方式,(2)プリアンブル位相情報を用いた初期クロック位相推定型クロック再生方式,(3)低消費電力化を考慮したパルスカウント型直交検波方式,(4)プリアンブル位相情報を用いたバースト検出方式.試作LSIによる評価試験により,本LSIはパーソナル通信環境下において,遅延検波復調器に比べエラーフロアを40%低減,フロア誤り率10%における所要Eb/Noを3dB改善することが確認された。
著者
高木 周 松本 洋一郎 黄 華雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.61, no.586, pp.1976-1983, 1995-06-25
被引用文献数
10

A numerical method is developed to simulate the unsteady axisymmetric flow with a free surface. The method is based on a finite-volume solution of the equations on an orthogonal curvilinear oordinate system. A new iteration technique is used for the boundary condition of the free surface to stabilize the solution. The method is applied to simulate an unsteady motion of a single deformed bubble rising through a quiescent liquid. The numerical results show quantitatively good agreement with those of experiments and calculations of others. In the present study, the transitional phenomena of the initially spherical bubble in reaching the steady state are investigated. It is known experimentally that the rising bubble begins to show an unsteady three-dimensional (spiral or zigzag) motion beyond certain critical Reynolds and Weber numbers. Our numerical results of the axisymmetric flow show unsteady shape oscillations in the parameter range of the three-dimensional motions.
著者
金 由澤 田中 和博 山田 五代治 松本 洋一郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.66, no.644, pp.1126-1131, 2000-04-25
被引用文献数
1

It is reported recently that the pump head deterioration near the best efficiency point, from single-phase flow to the choke due to air entrainment became less in a screw-type centrifugal pump than in a general centrifugal pump. Moreover, at a narrow tip clearance, the pump head became partially higher in two-phase flow than that in single-phase flow. However, the internal pressure fluctuations on this pump due to air entrainment have not been studied yet. For that reason, we have examined the influences of void fraction, flow coefficient and impeller tip clearance on pressure fluctuations in the casing. At narrow tip clearance, the pump head increment in two-phase flow mainly depends on the pressure increasing in the volute casing. And the void fraction became larger, the influence of tip clearance on pressure distribution became less. Moreover, we have observed the internal flow patterns by using a stroboscope and a halogen sheet light. Then, we have investigated the influences of flow coefficient on air-water two-phase pump performance.
著者
松本 洋一 宗田 悟志 望月 伸晃 梅比良 正弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.98, no.435, pp.69-74, 1998-11-27
被引用文献数
25

本報告は, 広帯域無線システムに適したOFDM方式について検討している.まず初めに, 同一情報伝送速度を得る変調方式および誤り訂正符号化率の組み合わせとして, 同期検波を前提に8PSK(R=2/3)および16QAM(R=1/2), さらに遅延検波を前提にD8PSK(R=2/3)および16DAPSK(R=1/2)の特性について, 実際の通信路を想定したシミュレーションによりパケット誤り率特性について明らかにし, 8PSKが, 特にマルチパスおよび非線形通信路においては, 他に比べその有効性が大きいことを示している.さらに, 実際に同期検波をOFDMシステムに適用するために必要な各サブキャリアの等化方法について, RLSアルゴリズムを適用したものを提案するとともに, パケット誤り率特性および所要プリアンブル長の観点から従来方式との比較検討をおこない, 所要プリアンブル長が2OFDMシンボル以上の場合, 提案方式が優れた特性を有することが示されている.