著者
宮内 信之助
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.7-14, 1977

近年, 多雪地帯においてはカラー鉄板を使った屋根が普及してきたが, この屋根は雪との摩擦が小さいことから, 多くの家で雪止めをつけないでそのまま自然に雪を落す方法がとられるようになった.この屋根の使用によって, 雪おろしの労力が省かれる利点がある一方, 雪の滑落による危険性もあわせて存在する.このような屋根の普及にもかかわらず, この自然落下法の欠点についてはこれまで十分検討されてこなかった.<BR>1974年以来新潟県長岡市, 十日町市, 津南町の三地区でカラー鉄板を使用した76軒の屋根の冬期における状況の調査を行った.<BR>この調査から次の三つの結果が得られた.<BR>(1) 新潟地方を襲った1975年1月9日~1月13日および1976年1月18日~1月24日の豪雪においては, 屋根の勾配に関係なく, カラー鉄板を使った屋根に多量の雪が積もった.これは積雪が屋根表面に凍りついたためである.<BR>(2) 降雪後温度が上昇すると, 急激な滑落が起り6m以上も雪が屋根から飛ばされた.<BR>(3) 十日町市で起った事故から屋根面と積雪間の0℃以上の摩擦係数が推定され, その値は約0.1であった.
著者
宮内 信之助 下村 雅人 山内 健 大島 賢治 松本 洋一 迎 勝也
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.227-232, 2001-05-25 (Released:2010-11-22)
参考文献数
9

きのこ [マイタケ (Grifola frondosa: GF) ] の柄を粉末化し, それをアセトンと蒸留水で洗浄することによって, 少し透明感のある白色のGF粉末を得た. このGF粉末存在下で, 硝酸セリウム塩を開始剤として, 水溶媒でアクリルアミド (AAm) の重合を行った. 重合は温度を上げ, GF量を増加させると進み, 60℃で91%の重合収率を得た. 水に対する見かけの可溶化率を調べたが, アクリルアミドの重合がGFの可溶化を助けた. 洗浄前と洗浄後のGF, およびGFを水またはアセトンで洗浄した後の〓液, GF存在下でのGF-ポリアクリルアミド (PAAm) 複合物の水洗浄後の〓液について, 1HNMR測定を行った. その結果, アセトンによる洗浄では, 主として脂肪酸が抽出され, 糖質類は抽出されなかった. 一方, 水による洗浄では, α型の糖質類が抽出され, ポリアクリルアミドと複合化されてもβ型のものは抽出されにくかった.