著者
久保田 富夫 大嶋 伸雄
出版者
埼玉県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

健常成人男性19名、女性10名(19〜31歳,平均20.9歳)を対象として、連続した2晩の午前0時から7時までの7時間,ビデオ撮影により睡眠姿勢を録画した。録画終了後,睡眠時姿勢は28パターン(頭部,胸部,腰部)に分類した。アンケートは睡眠時姿勢の習慣や好みについてと起床時の睡眠感(PSQI, SMH)について行った。こられについて、1夜目と2夜目の夜間睡眠姿勢特性に変化や関連があるか検討した。その結果、男性19例における睡眠時姿勢変化パターンの数と平均回数は1夜目7.79±0.54パターン、2夜目7.05±0.42パターンであった。相関係数は0.63(p=0.004)であった。睡眠時姿勢変化の平均回数は1夜目が32.42±3.22回、2夜目が33.58±2.67回であった。相関係数は0.69(p=0.001)であった。女性10例における睡眠時姿勢変化パターンの数と回数は1夜目6.30±0.65パターン、2夜目6.70±0.68パターンであった。相関係数は0.89(p<0.001)であった。睡眠時姿勢変化の平均回数は1夜目が23.60±4.76回、2夜目が24.0±3.73回であった。相関係数は0.91(p<0.001)であった。これらのことから、今回実験に参加した健常成人被験者において、睡眠姿勢変化回数の出現数や個人の睡眠姿勢パターンの数に個人差が認められるが、同一個人では、記録夜ごとの変動はあまりないことがわかった。さらに、寝返り回数が極端に少ない健常成人女性1名について、体圧分散メカニズムを明らかにすることで、褥瘡予防に役立つのではないかと考えその徐圧方法の検討をおこなった。その結果、頭部や膝の曲げ伸ばしにより、徐圧していることがわかった。これらの方法を応用することで現在より睡眠感を悪くせずに他動的に体位変換が可能となる可能性が示唆された。
著者
平田 美和 大塚 眞理子 新井 利民 大嶋 伸雄 井口 佳晴 高田 玲子 大熊 明 加藤 巳佐子 藤井 博之 小川 恵子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.47-52, 2004

本研究の目的は、インタープロフェッショナルワークとして有効的な援助活動であり、在宅要介護高齢者の自己決定促進による生活の維持向上につながった事例について、ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパー、医師のやり取りを分析し、多職種の役割とその特徴について検討することである。ケアマネジャーは他機関との調整と関連情報の共有、家族支援、ケアプランの遂行、相互支援の強化を担っていた。訪問看護師はチームの対象理解の深化、ヘルパーは日常の身近な援助者としての情報提供、医師は治療的な情報提供を担っていた。
著者
大塚 眞理子 大嶋 伸雄 平田 美和 新井 利民 大熊 明 高田 玲子 井口 佳晴 小川 恵子 加藤 巳佐子 藤井 博之
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.131-137, 2002
被引用文献数
2

本研究の目的は、ケアマネジャーとサービス提供者による質の高い介護サービスを利用者に提供するためにITを活用したWEBケアフォーラムを開発・試行し、その効果を明らかにしてWEBケアフォーラム活用の可能性を検討することである。3事例に試行し利用者から好評をえた。3名のケアマネジャーからは【孤立性や不安の軽減】と【ケアマネジメント技術への支援を得る】が得られた。参加したチームメンバーが得た成果は、【援助感の変化】【他職種のイメージの転換と理解の促進】【利用者に対する理解の変化と援助の自信】であった。フォーラムの利点は【情報共通化の促進】【利用者の状態把握の促進】【サービス提供時の安心感の増進】【擬似カンファレンス機能によるチーム意識の向上】などであった。WEBケアフォーラムは在宅ケアにおけるチームの連携・協働を促進する効果があり、活用の可能性と課題が示唆された。