著者
石野 洋二郎 手嶋 啓介 藤井 博之 山本 優作 齋木 悠
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.805, pp.1805-1815, 2013 (Released:2013-09-25)
参考文献数
13

A novel rotational internal combustion engine has been investigated in this study. No eccentric rotational component is used in this engine, resulting in vibration-free operation. The engine consists of rotor casing and two types of rotor; cycloid rotor and trochoid rotor. The shape of the cycloid rotor is characterized by epicycloid surface, and the trochoid rotor also superior-epitrochoid surface. In this paper, first, the typical configuration was shown. Next, a procedure for designing the rotors were described in detail. Furthermore the design drawing and appearance of the prototype engine were given. Its cyclic behavior, the time variations of the chamber volume and the estimated pressure were also indicated. Additionally the flame behavior in the working volume of the prototype engine driven in motoring condition, was presented. Finally the compactness and S/V ratio of the engine was investigated.
著者
藤井 博之
出版者
日本福祉大学福祉社会開発研究所
雑誌
現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 = Journal of Culture in our Time (ISSN:13451758)
巻号頁・発行日
no.143, pp.1-27, 2021-09-30

私は臨床医として診療と教育・研究の二足のわらじを履き,地域医療,農村と都市はどう連帯するかを考えてきた.新型コロナ禍の中で「命か経済か」のどちらを優先するかという議論がある.これは社会福祉と保健・医療が地続きの分野であることに関わる問いを改めて突き付けている. いくつかの教育実践を取り上げて振り返ることで,この問いについて考えたい.①社会福祉学部や経済学部で「医学概論」を担当してきたが,この科目で医学について何を学ぶよう学生に求めるかを問い直す必要がある.②コロナ禍の下で 2020 年度は編成を変更し,ふくしの論理に医療の論理をつなぎ病気の社会的側面について考えるなどの試みを行う機会になった.③医師である教員として学生が医療の現場を訪ねる機会を作ることも,大事な役目である.在任中は,専門演習 5 クラス,地域研究プロジェクト 3 クラスを担当し,9 回の合宿と 14 回のフィールドワークで,フィールド 24 箇所を訪ねた.④卒業論文では 6 年間に 5 つの専門演習クラスを担当し,52 人全員が論文を提出して卒業した.インタビュー調査 25,事例検討 11,量的調査 6,統計研究 6,参与観察 2,インタビュー調査と事例検討の混合研究 2,テーマは多彩で,保健・医療や病いは 10 数本に過ぎなかった.卒業後社会人 2 年目に自ら生命を絶った者があった.大学教員は学生が就職・進学しただけで役割を果たしたとは言えず,生きぬく力を伝える責任がある.⑤講義科目リハビリテーション医学(2015 ~ 2020 年)では,リハビリテーションという言葉を本来の意味で使うべきだと伝えてきた. 保健医療と社会福祉を含む多職種連携について,本学では教育と研究,地域での実践の機会を豊富に与えられた.在任中に私としては 2 つ目の博士論文(社会福祉学)を提出し,数冊の書籍を出版できた.研究成果には,多職種連携の基盤となる 4 つの共通理解,多職種連携に影響する要因,職場の連携状況評価尺度の開発,response shift の指摘などがある.IPE の学習過程での専門分野間の対立,多職種連携の暗黒面を上手に乗り越えることは教員の援助のポイントである.日本の現状では,医療系と社会福祉学部が参加する IPE は限られている一方で,各職種の国家試験で多職種連携に関する出題が増加しつつあり,中でも社会福祉士では 33.3%(2020 年)と高比率である.日本福祉大学の IPE では,幅広い学部構成という強みを活かすために,教員が履修学生の中で起こる学びや葛藤を学部を超えて共有し,教員同士の多職種連携の経験知を高めるなどの課題に取り組むよう期待する.
著者
栗崎 由貴子 能登谷 晶子 小山 善子 鈴木 重忠 藤井 博之
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.308-313, 1996 (Released:2006-05-24)
参考文献数
10

右被殻出血により,失語症と左片麻痺を呈した生来右利きの一症例を報告した。症例は発症時 49歳,男性。当科初診の発症から 16ヵ月経過時の言語症状は,軽度の言語理解障害および音韻性錯語を中心とした表出面の障害であった。とくに復唱障害が著しかった。発症から 40ヵ月経過時には,表出面で自発語や音読の改善は良好であったが,復唱の際に文レベルで,助詞が他の助詞に置換される障害が認められた。この傾向は発症から 55ヵ月時も同様であった。本例の復唱障害の誤り方は,波多野(1991)の錯文法性錯語を主症状とした伝導失語例に類似していた。

1 0 0 0 感情失禁

著者
藤井 博之
出版者
医学書院
雑誌
訪問看護と介護 (ISSN:13417045)
巻号頁・発行日
vol.10, no.9, pp.774-778, 2005-09-01

脳血管障害などで,感情のコントロールがきかないように見える人がいます。ふとしたことで笑ったり泣いたりして,それが止まらなくなることもあります。なにがきっかけとなったのかはっきりしない人も,なかにはおられます。 こうした現象は,医学的にはいくつかの症状として理解されています。「感情失禁」は,そのなかで最も有名な用語で,看護・介護の現場はもちろん,ときには一般の会話などでも使われます。
著者
平田 美和 大塚 眞理子 新井 利民 大嶋 伸雄 井口 佳晴 高田 玲子 大熊 明 加藤 巳佐子 藤井 博之 小川 恵子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.47-52, 2004

本研究の目的は、インタープロフェッショナルワークとして有効的な援助活動であり、在宅要介護高齢者の自己決定促進による生活の維持向上につながった事例について、ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパー、医師のやり取りを分析し、多職種の役割とその特徴について検討することである。ケアマネジャーは他機関との調整と関連情報の共有、家族支援、ケアプランの遂行、相互支援の強化を担っていた。訪問看護師はチームの対象理解の深化、ヘルパーは日常の身近な援助者としての情報提供、医師は治療的な情報提供を担っていた。
著者
大塚 眞理子 大嶋 伸雄 平田 美和 新井 利民 大熊 明 高田 玲子 井口 佳晴 小川 恵子 加藤 巳佐子 藤井 博之
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.131-137, 2002
被引用文献数
2

本研究の目的は、ケアマネジャーとサービス提供者による質の高い介護サービスを利用者に提供するためにITを活用したWEBケアフォーラムを開発・試行し、その効果を明らかにしてWEBケアフォーラム活用の可能性を検討することである。3事例に試行し利用者から好評をえた。3名のケアマネジャーからは【孤立性や不安の軽減】と【ケアマネジメント技術への支援を得る】が得られた。参加したチームメンバーが得た成果は、【援助感の変化】【他職種のイメージの転換と理解の促進】【利用者に対する理解の変化と援助の自信】であった。フォーラムの利点は【情報共通化の促進】【利用者の状態把握の促進】【サービス提供時の安心感の増進】【擬似カンファレンス機能によるチーム意識の向上】などであった。WEBケアフォーラムは在宅ケアにおけるチームの連携・協働を促進する効果があり、活用の可能性と課題が示唆された。