著者
久保田 富夫
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.185-188, 2005-11-01

健康なわたしたちも,昼間に耐えがたい眠気を体験することはよくある.ヒトの昼間の覚醒レベルの変動については様々な研究が行われているが,60分から3〜4時間周期で眠気が出現するウルトラディアンリズムの報告があり,いくつかの要素が関連していると考えられている.さらに,約半日リズムとして,昼食後の午後1時から4時頃に眠気を感じることが多い.昼間の眠気には,生体リズムが関係していることは広く知られている.また,外的環境への適応機能として,サーカディアンリズムの補助機能としての役割などがあげられる.今回,以前われわれが大学生におこなったアンケート調査から昼間の眠気の原因と,その対応についても考えてみた.
著者
木暮 貴政 久保田 富夫 村山 陵子 新村 洋未
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.171-176, 2011-11-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
29

To evaluate the influence on sleep by mobility and comfort on a mattress, we estimated subjective sleep feelings and measured sleep quality by polysomnography. Ten healthy subjects (4 males, 6 females), aged 62-67, were recorded, sleeping in a laboratory for two nights at a week interval under two crossover designed conditions (EMC: a mattress easy to move and comfortable by first impressions, DMU: a mattress difficult to move and uncomfortable by first impressions). The percentage of wakefulness in the first half of sleep time was significantly increased at DMU. Subjective sleep feelings were better at EMC and subjective evaluations at the time of arising showed EMC was easier to move and more comfortable. These results suggest that mobility and comfort on a mattress is important for better sleep.
著者
久保田 富夫
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.185-188, 2005 (Released:2007-10-23)
参考文献数
22

健康なわたしたちも,昼間に耐えがたい眠気を体験することはよくある.ヒトの昼間の覚醒レベルの変動については様々な研究が行われているが,60分から3~4時間周期で眠気が出現するウルトラディアンリズムの報告があり,いくつかの要素が関連していると考えられている.さらに,約半日リズムとして,昼食後の午後1時から4時頃に眠気を感じることが多い.昼間の眠気には,生体リズムが関係していることは広く知られている.また,外的環境への適応機能として,サーカディアンリズムの補助機能としての役割などがあげられる.今回,以前われわれが大学生におこなったアンケート調査から昼間の眠気の原因と,その対応についても考えてみた.
著者
久保田 富夫 大嶋 伸雄
出版者
埼玉県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

健常成人男性19名、女性10名(19〜31歳,平均20.9歳)を対象として、連続した2晩の午前0時から7時までの7時間,ビデオ撮影により睡眠姿勢を録画した。録画終了後,睡眠時姿勢は28パターン(頭部,胸部,腰部)に分類した。アンケートは睡眠時姿勢の習慣や好みについてと起床時の睡眠感(PSQI, SMH)について行った。こられについて、1夜目と2夜目の夜間睡眠姿勢特性に変化や関連があるか検討した。その結果、男性19例における睡眠時姿勢変化パターンの数と平均回数は1夜目7.79±0.54パターン、2夜目7.05±0.42パターンであった。相関係数は0.63(p=0.004)であった。睡眠時姿勢変化の平均回数は1夜目が32.42±3.22回、2夜目が33.58±2.67回であった。相関係数は0.69(p=0.001)であった。女性10例における睡眠時姿勢変化パターンの数と回数は1夜目6.30±0.65パターン、2夜目6.70±0.68パターンであった。相関係数は0.89(p<0.001)であった。睡眠時姿勢変化の平均回数は1夜目が23.60±4.76回、2夜目が24.0±3.73回であった。相関係数は0.91(p<0.001)であった。これらのことから、今回実験に参加した健常成人被験者において、睡眠姿勢変化回数の出現数や個人の睡眠姿勢パターンの数に個人差が認められるが、同一個人では、記録夜ごとの変動はあまりないことがわかった。さらに、寝返り回数が極端に少ない健常成人女性1名について、体圧分散メカニズムを明らかにすることで、褥瘡予防に役立つのではないかと考えその徐圧方法の検討をおこなった。その結果、頭部や膝の曲げ伸ばしにより、徐圧していることがわかった。これらの方法を応用することで現在より睡眠感を悪くせずに他動的に体位変換が可能となる可能性が示唆された。
著者
村田 雄一 大橋 秀行 添田 啓子 久保田 富夫
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.459-467, 2020-08-15 (Released:2020-08-15)
参考文献数
23

要旨:本研究は,医療観察法の入院医療における作業療法実践から,介入の焦点や技術と作業療法士の役割について明らかにすることを目的とした.この医療に従事するエキスパートの作業療法士を対象に半構造化面接を行い,質的分析を実施した結果,本人の“守りたい暮らしの安定”を目指す作業療法実践の概念的構造が得られた.この医療における多職種チームの中で作業療法士は,対象者の守りたい暮らしを主眼におき,当たり前の日々の生活の中にある作業(occupation)を安定してできるようにともに取り組むことにより,間接的に再他害行為を防止することを担っている.