著者
岡 明彦 天野 祐二 内田 靖 香川 幸司 高取 健人 北嶋 直人 園山 浩紀 多田 育賢 楠 龍策 福庭 暢彦 大嶋 直樹 森山 一郎 結城 崇史 川島 耕作 石原 俊治 木下 芳一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.1804-1813, 2013 (Released:2013-10-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

保存的加療にて軽快した餅による消化管障害(イレウス,潰瘍)の8例を報告した.既報を含めた検討では,餅による消化管障害には,次のような特徴がある.(1)イレウス,穿孔,潰瘍がある.(2)50~60歳代の男性に多く,義歯や早食いが誘因となる.(3)発症数は10月から増え1月に最も集中.(4)イレウスでは腹膜刺激症状,穿孔をともないやすい.(5)硬くなった餅はスネアで破砕可能.(6)餅のCT像は「均一」な「高濃度」であり,CT値は145HU前後である.
著者
柴垣 広太郎 三代 剛 福山 知香 高橋 佑典 古谷 聡史 大嶋 直樹 川島 耕作 石村 典久 長瀬 真実子 荒木 亜寿香 門田 球一 石原 俊治
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1287-1298, 2021-09-25

要旨●H. pylori未感染者に発生するラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍とH. pylori既感染者に発生する腺窩上皮型胃癌の臨床病理学的特徴を検討した.前者は萎縮のない胃底腺領域に発生する発赤小隆起で,いわゆるラズベリー様外観を呈し,NBI拡大観察で不整な乳頭状/脳回様構造を呈した.後者は萎縮粘膜に発生する粗大な発赤隆起で,前者より大きく形態も歪であった.NBI拡大観察で乳頭状/脳回様構造を呈したが,形態不整は高度であった.病理組織学的には,前者はよく分化した上皮内病変で,WHO分類では多くがlow-grade dysplasia相当であったが,Ki-67 labeling indexは異型度によらず高値を示した.後者は構造異型・細胞異型が高度で,脱分化や脈管侵襲も認められ,胃型胃癌としての高い悪性度を示した.