著者
岡 明彦 天野 祐二 内田 靖 香川 幸司 高取 健人 北嶋 直人 園山 浩紀 多田 育賢 楠 龍策 福庭 暢彦 大嶋 直樹 森山 一郎 結城 崇史 川島 耕作 石原 俊治 木下 芳一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.1804-1813, 2013 (Released:2013-10-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

保存的加療にて軽快した餅による消化管障害(イレウス,潰瘍)の8例を報告した.既報を含めた検討では,餅による消化管障害には,次のような特徴がある.(1)イレウス,穿孔,潰瘍がある.(2)50~60歳代の男性に多く,義歯や早食いが誘因となる.(3)発症数は10月から増え1月に最も集中.(4)イレウスでは腹膜刺激症状,穿孔をともないやすい.(5)硬くなった餅はスネアで破砕可能.(6)餅のCT像は「均一」な「高濃度」であり,CT値は145HU前後である.
著者
井上 淳詞 原田 和樹 原 浩一郎 木下 芳一 加藤 範久
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.57, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】ごぼうは、一般野菜の中でも特に食物繊維とポリフェノールを豊富に含む野菜である。我々は、このごぼうに注目し、焙煎することで、さらに抗酸化能を高めた「ごぼう茶」を開発した。ごぼう茶の腸内環境への影響を、動物実験により調べ、さらに健康な成人45名による摂取試験の結果についても併せて報告する。 【方法】国内産ごぼうを、蒸気加熱(ブランチング)後にカットし、乾燥した。さらに130~180℃で焙煎を行った。これを2.75%の濃度で熱水抽出したものを供試サンプルとし、高脂肪食を与えたSD系ラットに水の代わりに与え、腸内細菌叢と糞中の二次胆汁酸、IgA、ムチンについて調べた。また、健康な成人45名に、同じ条件で抽出したごぼう茶抽出液(500ml/日)を2週間摂取し、1週間のwash-out期間後に、ごぼう茶粉末(20g/日)を2週間摂取してもらい、便通と血液成分、血圧について調べた。 【結果】動物実験では、高脂肪食のみを与えた群で、糞中の二次胆汁酸が増加したが、ごぼう茶摂取群は、有意に二次胆汁酸が減少し、また腸管免疫の指標となるIgAおよびムチンが増加した。ヒトに対しては、排便回数に差異は認められなかったものの、最高血圧が約10mmHg減少した。さらにごぼう茶粉末を摂取することで白血球数と肌水分の増加が認められた。以上の結果から, ごぼうを焙煎することで、美味な機能性飲料としての利用が可能であり、さらにごぼう茶中にはリグニン等の不溶性食物繊維も含まれることから、粉末化による加工食品の素材としても可能性を得た。
著者
藤本 一眞 藤城 光弘 加藤 元嗣 樋口 和秀 岩切 龍一 坂本 長逸 内山 真一郎 柏木 厚典 小川 久雄 村上 和成 峯 徹哉 芳野 純治 木下 芳一 一瀬 雅夫 松井 敏幸
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.2075-2102, 2012 (Released:2012-07-26)
参考文献数
66
被引用文献数
7

日本消化器内視鏡学会は,日本循環器学会,日本神経学会,日本脳卒中学会,日本血栓止血学会,日本糖尿病学会と合同で“抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン”を作成した.従来の日本消化器内視鏡学会のガイドラインは,血栓症発症リスクを考慮せずに,抗血栓薬の休薬による消化器内視鏡後の出血予防を重視したものであった.今回は抗血栓薬を持続することによる消化管出血だけでなく,抗血栓薬の休薬による血栓塞栓症の誘発にも配慮してガイドラインを作成した.各ステートメントに関してはエビデンスレベルが低く推奨度が低いもの,エビデンスレベルと推奨度が食い違うものがあるのが現状である.
著者
木下 芳一 石原 俊二 天野 祐二 清村 志乃 多田 育賢 丸山 理留敬
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1797-1805, 2012 (Released:2012-07-03)
参考文献数
35
被引用文献数
4

好酸球性胃腸炎の原因は明らかとはなっていないが,Th2反応をおこしやすい個人が食物抗原等に反応して消化管でのIL-5,-13,-15,eotaxin等のサイトカインの産生が高まり好酸球やマスト細胞が活性化されて消化管上皮に傷害をおこすアレルギー疾患であると考えられている.本疾患は40歳頃を発症ピークとし男女共にほぼ同様に発症するが,喘息などのアレルギー歴を有する例が多い.主訴は腹痛と下痢であることが多く,末梢血白血球の増加や好酸球の増加を80%以上の例でみとめる.粘膜に病変を有する例では内視鏡検査で,びらん,発赤,浮腫などをみとめるが,内視鏡検査では確定診断はできず複数個の生検が必須である.漿膜下に病変のある例では腹水をみとめ腹水中に好酸球を多数みとめる.治療はグルココルチコイドが主となるが,減量・中止後に再発をきたしやすく,減量を補助するため種々の抗アレルギー薬が使用されることがあるが,その有効性に関するエビデンスは十分ではない.
著者
古田 賢司 木下 芳一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.55-62, 2013 (Released:2014-01-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

従来,胸やけ・呑酸などの逆流症状を認めるが,内視鏡で食道粘膜にびらんや潰瘍などの粘膜傷害を認めない患者は,非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease:NERD)と診断され治療が行われてきた.ところが,多チャンネルインピーダンス・食道pHモニタリング法の出現により,これまでNERDと診断され治療が行われてきた患者の中に,胃食道逆流とは無関係に症状が出現し本来のNERDとは異なった病態の患者が含まれていることが明らかになってきた.
著者
木下 芳一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.9, pp.1611-1625, 2016-09-10 (Released:2017-09-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
内田 靖 雫 稔弘 山本 俊 赤木 収二 渡辺 誠 木下 芳一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.322-326, 1999-05-25 (Released:2010-02-22)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は74歳男性, 無職. 平成6年11月23日, 発熱と肝機能異常にて当院内科に入院. 原因は特定されず約2週間後に自然に解熱し, 退院となった. 平成7年3月中旬から再び同症状が出現したため, 4月5日再入院. 38℃台の発熱が持続したが, 検査所見ではCRP強陽性, 中等度の肝機能異常を認める以外に著変なく, 肝炎ウイルスおよび他のウイルスマーカーも全て陰性であった. この際初めて, 平成6年9月から初回入院迄, および退院後から再入院迄, 健康食品であるクロレラ製剤の服用が明らかとなった. そのため同製剤の服用中止にて経過観察し, 解熱および肝機能の改善が認められた. 同製剤に対するリンパ球刺激試験は陽性であり, 臨床経過から偶然の再投与による肝機能障害と考えられた. 以上から, クロレラ製剤による薬物性肝障害と診断した. 解熱後施行した腹腔鏡検査所見および肝組織像も薬物性肝障害に矛盾しないものであった.
著者
三代 剛 三上 博信 木下 芳一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.40-45, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
12

刺激性下剤は古くから使用されるものが多く,便秘改善作用が強力であることが知られている.しかし,腸管の強い収縮によって腹痛を生じたり,連用すると耐性現象によって必要な薬剤の量がさらに多くなったりするといった悪循環を来たすこともある.「慢性便秘症診療ガイドライン2017」1)(日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断・治療研究会,2017年)では,「慢性便秘症に対して,刺激性下剤は有効であり,頓用または短期間の投与を提案する」とのステートメントが出されており,基本的に連用する薬剤ではなく,レスキュー的な役割での使用が望ましい薬剤であると言える.
著者
木下 芳一 足立 経一 河村 朗
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.1243-1251, 2000-10-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
37

逆流性食道炎の分類と治療法について概説した.逆流性食道炎は,症状によってその診断が疑われ,内視鏡検査によって確定診断と重症度の分類が行われていることが多い疾患であり,多くの内視鏡分類が用いられてきた.これらの中で最近では重症度を判定し,予後を推定し,治療法の選択に有用な情報を提供しうるLos Angeles分類やその改良型が多く用いられている.逆流性食道炎の治療法には薬物療法が主力となるが,その中でも酸分泌抑制剤が主に用いられている.H2RAは夜間の酸分泌を強力に抑制するが,食後の酸分泌抑制力は弱く,PPIは日中の酸分泌の抑制は強力であるが,夜間はH2RAに比べてその作用は弱い.特にH. pylori感染陰性者ではPPIの夜間胃内pH上昇作用は,あまり強力ではない.逆流性食道炎のうち軽症のものは主に日中の食後に胃食道逆流がおこるが,gradeが高くなると日中に加えて夜間にも逆流が高頻度におこるようになる.また,gradeの高い逆流性食道炎は,H. pylori陰性者が多いことが明らかとなっているため,PPIのみでは夜間の胃内pHの低下が持続し,夜間酸逆流のため難治性となり,H2RAの追加投与が必要となる場合もある.
著者
木下 芳一 石原 俊治 石村 典久
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.114, no.10, pp.1765-1773, 2017-10-05 (Released:2017-10-05)
参考文献数
58

GERDの病態と診療に関しては多くの研究が行われ,その病態がほぼ明らかとなり,治療法も確立されたと考えられてきた.ところが,実際には胸やけや呑酸が一般的な胃酸分泌抑制療法に反応せず,治療に困難を感じることは少なくない.最近,このようなGERD例には食道の知覚過敏が存在していることがあると考えられている.知覚過敏として,中枢性の知覚過敏とともに食道粘膜局所の炎症が末梢性の知覚過敏を引きおこしている可能性が指摘されている.食道粘膜の炎症が知覚神経系に及ぼす影響を詳細に検討するとともに,食道粘膜局所の知覚過敏をターゲットとした治療法の研究と開発が望まれる.