著者
岡 明彦 天野 祐二 内田 靖 香川 幸司 高取 健人 北嶋 直人 園山 浩紀 多田 育賢 楠 龍策 福庭 暢彦 大嶋 直樹 森山 一郎 結城 崇史 川島 耕作 石原 俊治 木下 芳一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.1804-1813, 2013 (Released:2013-10-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

保存的加療にて軽快した餅による消化管障害(イレウス,潰瘍)の8例を報告した.既報を含めた検討では,餅による消化管障害には,次のような特徴がある.(1)イレウス,穿孔,潰瘍がある.(2)50~60歳代の男性に多く,義歯や早食いが誘因となる.(3)発症数は10月から増え1月に最も集中.(4)イレウスでは腹膜刺激症状,穿孔をともないやすい.(5)硬くなった餅はスネアで破砕可能.(6)餅のCT像は「均一」な「高濃度」であり,CT値は145HU前後である.
著者
川畑 康成 石川 典由 森山 一郎 福庭 暢彦 田島 義証
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.620-625, 2015-08-25 (Released:2015-09-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は71歳の女性.心窩部痛を契機に上部消化管内視鏡検査で十二指腸第II部に変形・狭窄および易出血病変を認めた.腹部造影CTでは膵頭部に径50mm大の充実性腫瘤を認め,門脈・脾動脈および十二指腸への浸潤が疑われた.ERPで主膵管は膵頭部で途絶していた.膵液細胞診はadenocarcinomaであり,門脈および脾動脈浸潤を伴う切除可能境界膵頭部癌(cT4, N1, M0, cStage IVa)と診断.門脈および脾動脈切除・再建を伴う膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織所見では,腺管構造の不整を伴う高分化型腺癌が主体で,腫瘍間質の線維化が強く,門脈浸潤を認めた.術後補助療法として放射線化学療法(GEM+RT)およびS-1による6ヶ月間の維持療法を施行した.術後の栄養状態とQOLは良好で,7年7ヶ月経過した現在,無再発生存中である.