- 著者
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大江 準三
西川 訓利
- 出版者
- The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.J89-B, no.9, pp.1569-1579, 2006-09-01
最近の自動車開発では,ITS(Intelligent Transport Systems)技術と総称されるように自動車の基本機能である「走る」「曲がる」「止まる」の高度化のみならず,環境適応性能や安全性能などの社会と高度に共存するための技術開発が進められ,更なる機能の進化を遂げている.その中でも情報通信技術いわゆるIT(Information Technology)は,ITS技術を実現するための不可欠な中核技術として位置づけられ,今や自動車の4番目の基本機能として「つながる」機能が定義されるまでに至っている.また,移動体である自動車での情報通信は無線が主体であり,情報の取込み口としての車載アンテナ技術は「つながる」機能を支える重要な中核要素をなしている.本論文では,車載アンテナ技術の変遷や動向について述べるとともに,自動車の意匠との整合性を保ちながらアンテナ性能を高めるといった特徴的な性能課題への取組み状況などにも触れながら,その技術概略についても述べてみたい.