著者
大池 美也子 鬼村 和子 村田 節子
出版者
九州大学
雑誌
九州大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:02862484)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.9-14, 2000-03
被引用文献数
1

We analyzed 47 unsuccessful experiences in communication out of 77 process records by the first-year nurse students in fundamental nursing practice. The results were as follows; 1) The nurse students tend to hesitate to communicate with their patients because of their concern and presumption, 2)they speak rather than listen to their patients when they are faced with the unfavorable topics. The teaching staffs should be qualified to be able to put student's thought into words by giving the appropriate instruction and guidance at the site of their unsuccessful experiences in communication.初回基礎看護実習における看護学生のプロセスレコード77件中コミュニケーションのつまづき場面47件について,その要因と特徴を患者と看護学生の視点から分析し,以下の結果を得た。1)看護学生は患者への気遣いや推測から自らの発言を制限し,患者への意思伝達が困難になっている。2)対応困難な話題に関して,看護学生は聞くよりも何か発言しようとする傾向にある。これらの結果から,対応困難なコミュニケーション場面に出会った看護学生に対して,指導者に求められることは,その場での適切な事後指導と,学生の思いを表現できる教育的思慮深さであることを考察した。
著者
河口 てる子 安酸 史子 林 優子 大池 美也子 近藤 ふさえ 小林 貴子 岡 美智代 小長谷 百絵 小平 京子 下村 裕子 横山 悦子
出版者
日本赤十字北海道看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

「看護の教育的関わりモデル」を用いたアクション・リサーチとモデルの療養支援を介入内容とした無作為化比較試験を行った。アクションリサーチでは、東京(A病院)・名古屋(B病院)・福岡(C病院)の3施設で実施した。アクション・リサーチの結果では、参加者の教育に対する認識が「知識を伝えることが教育」から「日常の会話から教育につながることが大切であり、患者教育は患者の言動や関わりから生まれる反応に合わせて進めるもの」へと変化した。「看護の教育的関わりモデル」を介入内容とする無作為化比較臨床研究に関しては、介入群45名と対照群43名が完了した。「食事療法のつらさ」「食事・運動等の療養行動」「糖尿病コントロール状況:HbA1c」への介入効果に関して分析した結果、「食事・運動等の療養行動」の一部に関して介入群と対照群に有意な差がみられ、介入群の行動の方がよかったが、「食事療法のつらさ」「糖尿病コントロール状況:HbA1c」に関しては、有意差は認められなかった。