著者
服部 直子 犀川 由紀子 山本 洋子 小平 京子
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.30-38, 2014-03

【目的】臥床患者に対する看護技術「陰部洗浄」に関して,臨床で実践している内容と看護基礎教育で教授している内容を明らかにし,陰部洗浄の方法とその教育方法を検討する。【方法】質問紙調査【対象】近畿圏200床以上の病院で陰部洗浄を実施している看護職,および西日本の私立看護系大学において陰部洗浄を教授している教員【結果】有効回答数は看護師222名,看護教員38名であった。臨床では99%が陰部洗浄で紙オムツを使用していた。実施上の困難として「股関節の可動域制限があり開脚できない患者への対処」,「自分で臀部を拳上できない患者への対処」等,患者の身体的状況に関連する内容と,使用物品に関する内容があげられた。看護系大学では,3分の2が紙オムツ,約半数が便器を使用する方法で陰部洗浄を教授し,教授上の困難として,「モデル教材を使用する限界」,「学生の性差を踏まえた教育方法」,「教育内容の迷い」等があげられた。【考察】陰部洗浄の方法については,安全で安楽な用具開発の必要性が示唆された。看護基礎教育においては,臨床の現状を踏まえた上で複数の方法で教授すること,方法のエビデンスの確立やモデル教材の改善が必要である。
著者
河口 てる子 安酸 史子 林 優子 大池 美也子 近藤 ふさえ 小林 貴子 岡 美智代 小長谷 百絵 小平 京子 下村 裕子 横山 悦子
出版者
日本赤十字北海道看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

「看護の教育的関わりモデル」を用いたアクション・リサーチとモデルの療養支援を介入内容とした無作為化比較試験を行った。アクションリサーチでは、東京(A病院)・名古屋(B病院)・福岡(C病院)の3施設で実施した。アクション・リサーチの結果では、参加者の教育に対する認識が「知識を伝えることが教育」から「日常の会話から教育につながることが大切であり、患者教育は患者の言動や関わりから生まれる反応に合わせて進めるもの」へと変化した。「看護の教育的関わりモデル」を介入内容とする無作為化比較臨床研究に関しては、介入群45名と対照群43名が完了した。「食事療法のつらさ」「食事・運動等の療養行動」「糖尿病コントロール状況:HbA1c」への介入効果に関して分析した結果、「食事・運動等の療養行動」の一部に関して介入群と対照群に有意な差がみられ、介入群の行動の方がよかったが、「食事療法のつらさ」「糖尿病コントロール状況:HbA1c」に関しては、有意差は認められなかった。