- 著者
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阪本 浩一
大津 雅秀
- 出版者
- 日本口腔・咽頭科学会
- 雑誌
- 口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.2, pp.191-197, 2014-06-10 (Released:2014-08-20)
- 参考文献数
- 11
口蓋扁桃摘出, アデノイド切除の前後に OSA-18 による評価を行い, スコアの変化について検討した. また, アプノモニターによる AHI, SpO2 の値との関連も検討した. 対象は, 2008年から2013年に当科にてアデノイド, 扁桃摘出術を施行した144例. 男児99例, 女児45例. アプノモニターは, AHI は129例で, SpO2 は132例で測定された. 術前 OSA-18 の総スコアは平均59.7±20.1であった. 術後のスコアは, 平均30.3±10.7点で有意なスコアの低下を認めた. 術前 AHI は21.0±13.7回/hr, SpO2<90%は4.9±10.8%, SpO2 最低値は, 72.8±16.6%であった. 術後には, AHI は6.6±5.5回/hr, SpO2<90%は1.0±2.4%と低下し, SpO2 最低値は, 77.9±17.3%と上昇した. AHI と SpO2<90%に有意な改善を認めた. AHI と OSA-18 は, 総合スコアで相関係数0.52 (p<0.0001) と良好な正の相関を示した. 小児の睡眠呼吸障害の診断治療にあたって, OSA-18 は, 診断, 治療効果の判定に有用である.