著者
大石 幸二 成瀬 雄一
出版者
一般社団法人 日本人間関係学会
雑誌
人間関係学研究 (ISSN:13408186)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.51-59, 2013-01-29 (Released:2017-11-01)

The drawing is made use of for assessment and treatment in the clinical psychology. The purpose of this study was to examine the effect of the kinetic family drawing and the kinetic school drawing. We were going to explain the effect using a concept called a feeling of physical self-expansion. As a result of having surveyed a precedent study of our country, it developed that a physical sense and a perception of the body movement played an important role. We trigger this physical sense and perception of the body movement, and the certified clinical psychologist must interpret drawing. The future problem is to accumulate a proof study. And it is to elucidate the source of the effect to have of the drawing.
著者
大石 幸二
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.47-56, 2016 (Released:2019-03-19)
参考文献数
59
被引用文献数
1

行動コンサルテーションとは、応用行動分析や認知・行動療法の考え方に基づく間接援助モデルである。本論文では、行動コンサルテーションに関するわが国の研究と実践を概観し、今後の課題を指摘した。学会誌に発表された研究論文はその数が少ないが、関係者の相談行為が相互に強化されるような介入研究の増加が求められる。一方、大学・研究機関の紀要に発表された実践報告は大学教員が主導するものが多いが、実践家による成功を修めた実践報告の増加が求められる。行動コンサルテーションの理論と技法がわが国に導入されてから10年が経過した現在、この間接援助モデルは、着実に発達障害児の指導・支援に活用されつつある。今後は、相談過程の詳細な分析と、長期的維持・般化の検討が、行動コンサルテーション研究の発展に欠かせないであろう。
著者
大石 幸二
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.53-63, 2000
被引用文献数
1 3 3

本稿では、特殊教育教師の「現場研修」について、(1)その必要性、(2)実践研究の成果、(3)具体的なアプローチに注目し、その実施上の課題を明らかにした。先行研究から、(1)に関して研修の必要性が指摘される一方、1)教師の自己努力に負う考え方や、2)現場を離れて行う研修も根強く、他方、3)教育・訓練カリキュラムが系統的でない現状を示した。また、(2)に関して1)目標と方法の特定化、2)効率性の重視、3)観察事実に基づく指導実践の見直しが典型的な要素であることを示唆した。さらに上記1)から3)までの要素を重視する応用行動分析学の知見に触れ、このアプローチの成果のひとつである教師訓練を概観した。このアプローチでは、近年、教師自身が問題記述と分析を行い、介入計画および指導実践を直接管理することを支援するシステム構築が指向されている。特殊教育サービスにかかわる特殊事情を抱えるわが国では、今後、このシステムの有効性に関する実証研究の蓄積が求められることを、課題として指摘した。